第24話年明けの初出社
【年明けの初出社】
ゆっくりするはずの振替正月休みは超忙しかった。
10憶円当たったのに、何も贅沢はせず・・・
何故か大学時代に食べ損ねたのを思い出して、なつかしさもあり電車で馬場まで行って某ラーメンのトッピング全部載せ、にしたぐらい。
今日は、激動の年末年始を終えての久しぶりの出社、
会社では何も変わらずいつもの通り、朝から激務、隣の部、課には、裕子さんが黙々と仕事をしており、いつもなら慌ただしく真っ先に自分の席に座ってPCを立ち上げ仕事にかかるけど、今日は、いつもより余裕があって、オフィスに入ってからゆっくり裕子さんを目で追ってから席についた。
ルーチンワークを続けているうちに12時になり、お昼に行こうと思わず裕子さんの方を見ると、目があった、いつもなら軽く会釈するだけだけど、今日はそのまま裕子さんの方に歩いて行って、
「一緒にお昼行きませんか」
「あら、珍しいわね、声を掛けてくるなんて」
「はい、年末お世話になったんで、そのお礼を言いたくて」
「そう、別にいいのよ、私もぼっちで寂しかったから、じゃあ行こうか」
「はい」
会社のお昼だから、おしゃれなお店でランチというわけにもいかず 安くてうまい定食屋なんだけど、ちょっと話をしたいから、いつも行く定食屋ではなく、食後のコーヒーが出るところ。
そこそこおしゃれないつもは絶対行かないカフェに行って、お昼を食べながら話をした。
「年末は本当にありがとうございました。今年の大晦日と正月、すっごく楽しかったです」
「え~、そんな大げさに言われるような事した?」
「いや~、俺も1人で明日も会社かって思いながら迎える年越しより誰かと一緒で、それも大好きな裕子さんと一緒に迎える年越しがあんなに楽しかったと思いませんでした。
気持ちが全然違うんですね、自分でも驚いているんです。
ありがとうございました」
「そう? じゃあ、 来年も仕事だったら、そうしようか」
「はい、是非、お願いします」
「あっ、でも克己君もそろそろ彼女つくって彼女と年越し迎えないとね」
「またそれですか、俺には裕子さんがいるから彼女なんかいらないです」
「何言ってんのよ、本気にするわよ」
「はい、本気ですから」
「もう、ちょっと前までは私がからかっていたのに、最近は私が克己君にいじられちゃってるのね」
「はい、だって、裕子さん、かわいいから」
「あら、こんなおばさんつかまえて、何言ってるの」
「はあ・・・」
冗談でも、ここまで言えるようになった。
あいかわらず、俺は裕子さんにとって弟感覚・・・
でもいつもよりちょっと積極的に動いている俺、がんばれ!
「ところで、裕子さん、この休みは何してたんですか?」
「えっ、何もないわよ・・・いつもの連休と同じ、克己君は?」
「いや~、すごい事があったんです」
「あら、・・・彼女?・・・ではないみたいね・・・何があったの?」
「実は、年末に買った宝くじが当たったんです」
「そう、やっぱり必然だったのね」
「はい、裕子さんに言ったのが良かったんだと思います」
「そう? じゃあ、今度何かおごってもらおうかしら」
「はい、当然です」
「そう、でも、よかったじゃない、 臨時収入がはいって」
「はい」
この時、当選金額は言ってないから、裕子さんもそこまでとは思っていなかったんだろうけど、これで裕子さんとディナーデートの約束、やった!
結局こんな会話だけで、本当はこの休みについて、何もないなら、1人きりなら来年こそは!!と思って、聞いてみたがあまり深くは聞けなかったが、まあよし と思って、昼食を終えて いつものように仕事についた。
それからは、毎週の休日が大変だった。
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