スキル:浮遊都市 がチートすぎて使えない。
赤木咲夜
導入編
第1話 プロローグ1
30のダンジョン、7の浮島、そして浮遊都市が1つ突然世界中に出現した。
日本にはダンジョンが2つ、大阪と東京に。
7つの浮島は北太平洋、南太平洋、北大西洋、南大西洋、インド洋、南極海、北極海の何処かの海に。
浮遊都市は世界のどこかに浮かび続けている。
突然現れたダンジョン、浮島、浮遊都市には現実ではありえないモンスターが住み、通常の科学ではありえない物が多く産出された。
そして世界中一人ひとりにスキルが与えられた。
そのスキルは固有のものもあれば、一つのスキルで2つ以上の能力がある場合もあり、千差万別だった。変身スキル(ドラゴン)、絶対切断スキル、転移スキルなど比較的有用なスキルもあれば、睡眠不要スキル、記憶スキルなど、あまり役に立たないスキルも存在する。
そんな世界になってから1週間。
世界中にとあるスキルの存在が明らかになり、世界を驚愕させた。
その名も上海ダンジョン管理スキル。
中国広東省の少年が持っていたこのスキル、少年はすぐに中国政府に保護された。
世界では連日このニュースで持ちきりだ。
「中国で見つかったダンジョン管理スキルを持った少年は少年の家族全員と共に中国政府に保護され、本日少年の父親が中国政府と共同記者会見を開きました。世界連合アナザーワールド委員会マグナ委員長はスキルを持った少年の保護を名目に監禁するのは人道的配慮に欠ける。またダンジョン管理スキルを持つ人物はアナザーワールド委員会に協力する義務があるとし、常任理事国アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の5ヵ国で協力して保護すべきと主張していましたが、中国政府はそれを拒否。
自国民の保護は自国で行うと主張し、少年は人道的に扱っているが、少年の安全のため少年の顔などの情報を公開できないとし、記者会見では少年の父親が出席しました。記者からの質問で少年は友人と会えなくなった事が1番の残念な事だと話していたそうです。....次のニュースです。イギリスでも....」
俺はテレビを消す。
俺は自分の目の前に表示されているスキルステータスを見てため息を吐く。
スキル名:浮遊都市スキル
16歳通信制高校2年生、突然身についてしまったチートスキルの扱いに俺は困っていた。...が一つだけ分かった事がある。このスキルが誰かに知られるのはまずい。たとえ親であってもバレてはならない。
絶対大騒ぎになる。
俺はスキルを隠すことにした。
だが、浮遊都市スキルを持っていて何もしないのはもったいない。
俺はスキルステータス画面から都市管理項目を選択し、浮遊都市内ダンジョン以外全てを破壊不可オブジェクトに設定した。
----
<浮遊都市>
「隊長、成分分析用のサンプルが取れなくなりました。」
「隊長、爆薬で建物の一部を壊そうとしたのですが、傷一つ、つける事ができなくなりました。採取できたサンプルは1時間前に取った塀のかけらのみです。」
「隊長、GPSを地面に埋め込む事ができません。地面に穴を開けれません。」
「隊長、スキルでも破壊不可能です。」
浮遊都市では調査に訪れたアメリカ軍が突然の性質変化に混乱が生じていた。
----
<日本 大阪>
「今日、スキルレベル上げしに行こうぜ。」
「いいぜ、大阪ダンジョンに3時に集合な。」
外から声が聞こえる。俺は窓から顔を出すと、そこには中学の時の同級生、藤岡真斗が高校の同級生と思われる青年と別れて隣の家の門を潜るところだった。
「元気にしてるか松ちゃん。」
俺に気付いて手を振る真斗。
中学の時から変わらない明るさで話しかける。
「よう、まさと。またダンジョンに行くのか?」
俺は久々に出す大声で返事をする。
「ああ、さっきの話だろ?そうだよ、松ちゃんも行くかい。スキルレベルが上がるぞ。」
スキルレベルってのかあるのか。そういえばネットの噂でそんなのがあったな。
「いや、いいや。今日は勉強しないと母さんに怒られるから。」
レベル上げって
チートスキルで困ってるのに?これ以上強力になっても困る。
「おーけー。じゃなー。」
真斗は自分の家の玄関を潜った。
俺は窓を閉める。
ベットに寝転び、スマホを手に取る。
「スキルレベルで検索っと。」
ダンジョンのモンスターを倒す事で経験値が得られる。それが一定数貯まるとスキルが強化されるという仮説。火炎魔法スキルで出す事ができる炎の強さが、モンスターを倒したら上がった事から生まれた仮説。火炎魔法スキル以外にも斬撃スキル持ちが斬撃を飛ばせるようになったりと戦闘系スキルが強力になった例、アイテム系では所有人口が多いポーション作成スキルで、低級ポーション作成の1日作成限界回数が増えたり、作成ポーションの種類の増加、ポーションの持続効果延長などポーション作成スキルだけでも仮説を裏つける事例は多い。アイテム作成にはポイントが必要なため、スキル強化が確認しやすい。
ふーん。
ポーションねぇ。
俺はスマホでさらに検索する。
「ポーションっと。」
検索すると、たくさんのポーションが売られていた。
低級ポーション3本セット
即効で効きます。
スキル作成のため、賞味期限等はわかりませんが、3日後でも問題なく飲めます。割れやすいので厳重に梱包の上、即日発送します。ポーションは開封後30秒以内に使用してください。1分程度で容器もろとも消えます。注意してください。
マイオクという大手オークションサイトでポーションが売られていた。
何本か売られているが、大体1本大体八千円から1万二千円程度で出品され、落札価格は1本2万円くらい。
ポーション作成スキルいいな。たくさん人がいるから目立たないし、お金になるし。
俺はスキルステータスを見る。
本日の最大人口 320人。
ダンジョン部 0人
都市部 320人
保有ポイント 340P(+320P)
+ルート管理(自動)
+資源管理(自動)
-都市管理(一部自動)
+破壊不可指定ON
+ダンジョン管理(自動)
+防御と攻撃(無効)
あのー、ポイント項目増えてますけど??
人が訪れたらポイントが増えるみたいだ。
アイテム作成能力も含まれるのか?
俺はステータスでアイテム関連のタブを探す。
そしてダンジョン管理項目に[アイテム出現設定]、都市管理項目に[アイテム購入]というのを見つけた。
アイテム購入、使えそうだな
低級ポーション
中級ポーション
高級ポーション
全快ポーション
欠損部位回復ポーション
低級エリクサ
中級エリクサ
高級エリクサ
全快エリクサ
・
・
・
なんかいっぱい種類ある
低級ポーション P1消費
かすり傷はもちろん、ある程度の出血程度なら回復可能。疲労回復効果もあり。病気や毒などには効果なし。
俺は低級ポーションを1本買ってみる。
買ったポーションはアンプルだった。中の液体は青色。アンプルには黄緑のリングが一本描かれている。
「手に入っちゃった。ポーション、しかも安い。」
これが1本2万円になる。そして20本でも30本でも手に入れようと思えば手に入る。
「これ、俺勝組じゃね?」
チートスキル バンザイ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます