第18話 新パーティ

第1パーディ

真斗 変身(ドラゴン)

志帆 トレード

アンジェリーナ 転移

ゆりちゃん 切断

妹 魔法剣士

俺 ポーション生成


第2パーティ

一ノ瀬 絶縁体

神山 変身(ウンディーネ)

森 怪力

鈴 水面歩行


最果てパーティギルドのギルドホームには例のギルドの洗礼を受けた新しいメンバーも集まってパーティ構成を考えていた。白板にはパーティ構成と所持スキルが書かれている


「これがやっぱり一番な気がするわ。第1パーティの連携がやっとうまく行き始めてる時に、あまりメンバー移動はしない方がいいと思うし、第2パーティの戦闘も知っておくべきだけど、第2パーティの連携スタイルが決まらないと第1パーティと連携もできないと思うからやっぱりしばらくはこれが一番ね。」

アンジェリーナはマーカーペンのキャップを当てながら話す。


「ダメだよー、異議あり!!私はそのパーティ反対。」

妹が手を上げていう。そして前に出てきてアンジェリーナのマーカーを奪い、パーティ名を変える


第1パーティをアンジェリーナパーティに第2パーティを一ノ瀬パーティに書き換えた。

「私は味気ない名前が嫌だから、パーティのリーダーをパーティ名にしたいです。」


違うぞ妹、議論したいのはそこじゃない。


「え、私がリーダーなの?てっきり志帆がリーダーだと思ってたわ。」

アンジェリーナ、妹に付き合うな。


「私はリーダーではありません。戦闘時は確かに指示出してますが、それは戦術担当というだけです。私にリーダーは重すぎます。」

志帆も乗ってきたぞ、やめろ話が逸れる。


「僕がリーダーですか。確かにダンジョン部で潜ってましたが、僕はリーダーには向きませんよ。志帆さんと同じ戦術担当の方が向いています。」

一ノ瀬、お前もか。


「「じゃー俺がリーダーで」」

「「ダメ!!」」

真斗と森の立候補を即切りする志帆と神山。


あー、どうでも良くなってきた。パーティ構成?そんなの後でもいいや。


「私たちのパーティは静がリーダーがいいと思うわ。戦術担当は健太でいいでしょ?」

「え、私ダンジョン行ったことないのよ。ここは一ノ瀬くんがやるべきでない?」

「はいはい、そういうのはいいから。こっちは神山パーティでお願いします。」

鈴が神山の意見を流してさっさととリーダーを決める。

森は不満そうな顔をしているが、一ノ瀬が納得しているので多数決で森の負けだ。


「あー、こっちのリーダーはゆりちゃんにしよう。戦略は志帆が担当で、ギルマスはアンジェリーナだから、ギルド全員の時のリーダーだろ?なんだかんだでゆりちゃんって判断力あるから。ちょっとぽあぽあなのが心配だけど。」

俺もさっさと決めて行こうと思い、良さそうな案を言う。


「ぽあぽあってなんですが?それに私最年少ですよ。松ちゃんがやればいいじゃないですか。」

ゆりちゃんは膨れてプンプンと怒るが、全然怒ってる感じかしない。


「はいはい、じゃこっちは月之宮パーティで決定で。なんかゆりちゃんの苗字とゆりちゃんの雰囲気全くあってないな。」

「余計なお世話です!プンプン。」

俺の言葉にさらに怒るゆりちゃん。プンプンって口で言うところがなんとも言えない。


「では改めて、パーティ構成だけど。」

「はいはい!!4人と6人だから、最初のうちは月之宮パーティ、、、言いにくいから月パーティから、神山パー....神パーティにに1人ずつ派遣した方がいいです。その方がお互いの能力がわかるし、神パーティの戦闘スタイルの参考にもなると思います。」

ノリは馬鹿なJKなのに珍しく良い意見を言う妹。


さっきとは違う。もしかして妹賢い?


「あと、ローテーションする前に、4人のダンジョン探索を見たいです!」

妹がまともなことを言ってる。お兄ちゃん感動。


「それは良いアイディアね。そうと決まれば使う武器を決めないとダメね。」

アンジェリーナはギルドホールの新しく作った部屋を指さした。


最近毒ポーションを大量に送っていることもあり、最果て鍛冶ギルドが量産品の武器と防具、アクセサリーなど色々くれるのだ。そして属性弾も。


メンテナンスされたダンジョン装備は3日後にギルドハウスに届いた。そしてそのついでにと大量の見本も送られたのだ。見本というが普通に使うことができる。


そしてそれらを収める装備品倉庫のため、ギルド倉庫を拡張するため、訓練場を作るためにギルドハウスを大きくした。引っ越すわけではなく、アンジェリーナ曰く、「ハウスに使える容量を増やしたのよ」らしい。ギルドレベルが上がった特典だそうだ。


「まずは一ノ瀬から行こうか。今どんな武器を使ってるんだ?」

「えーと、持ってきたほうが早いので仮眠室から持ってきます。」

真斗に言われて、一ノ瀬は武器防具一式を装備品倉庫に持ってくる。


「これが僕のメインアーム。スナイプディコレクターです。長距離射撃用で属性弾を一度に2本まで入れれます。マガジンは10回計20発まで。マガジン使用時は一種類の弾しか使えません。属性弾とは別にエネルギーパックが必要です。」

一ノ瀬は背負うほど大きな狙撃銃を見せる。


「これは珍しいですね。スナイパーは複数の属性弾を同時発射でき、長距離で一発当たりのダメージが大きいですが、発射音が大きいことと暗いダンジョン内でスナイパーを生かせる場面が少ないのが難点ですね。」

志帆はジロジロとスナイプディコレクターを見る。

「最近のスナイパーは切り替えで散弾銃としても使えるタイプが使われていると聞いていましたが、このスナイパーライフルは散弾ライフルとしても使えるんですか?」

志帆は片手にナタ、もう片手にハンドガンをもって戦うタイプだ。ダンジョン用銃をよく知っている。

「よく知っていますね、このスナイパーライフルは切り替え機能はないですよ。その・・・お金もないし、先輩が超音波スキルで遠いうちに狙えたので必要なかったんです。絶縁体スキルはエネルギー遮断に有効なので銃声をスキルで消してました。」


「超音波スキルって、ダンジョン部にそんな有能なスキルを持っている人がいたのね。誰かしら。」

アンジェリーナは一ノ瀬に質問する。

「あー、あの例の盗人です。」

「あーね。そういえばあの三年生、、、瀬戸って言ったかしら。あの人警察に捕まったらしいわね。」


え、初めて知ったんだけど。


「ああ、噂になっていたな。万引きだろ?ダンジョン装備屋で。」

真斗も知っているようだ。


「何ともあの先輩らしいと思いました。装備がなくなったら装備を奪う。ダンジョン装備は10万は普通にするので裁判になるって聞きました。正直高校は退学にしてよかったと今頃思っているでしょうね。」

一ノ瀬はさすがにそこらへんの情報は詳しいようだ。


「そんな話はどうでもいいんだよ。もう超音波スキルを持った人もいないし、私たちのギルドはお金があるから散弾ライフル機能付きスナイパーライフルに交換でもいいかもね。」

妹は窃盗事件にそれほど関わってないから窃盗犯のその後に興味はない。


「防具は・・・全部買い換えだな。どんな武器を使うにしてもその防具鉄でできてるし、重い上に防御力が低すぎる。せめてダンジョン素材を使ってるならいいけどな。」

「すいません、お世話かけます。」

真斗の判断で一ノ瀬の装備は一式交換になった。


「じゃ、次は森さんと静さんと鈴さんだね。防具とアクセは買いに行った時その場で決めるとして、どんな武器を使うかくらいは今決めたいね。」

妹ノリノリだ。


「そうですね。スキルに合わせた装備がいいですよね。私は切断スキルなのでわかりやすく刀ですぐ決まりましたが、森さん以外はちょっと悩みますね。」

ゆりちゃん、のんびりとした口調で武器を持ってくる。


「切断系は色々ありますがここにあるのは、刀型、洋剣型、大剣型、レイピア、ナタナイフ、短刀くらいですね。刀と洋剣は軽くて使いやすいです。あと、打撃系でハンマーがありますが、正直ハンマーはロマン武器です。


銃系武器はリボルバーハンドガン、オートマチックハンドガン、アサルト、散弾銃、マシンガン、機関銃、狙撃銃が今ここにあります。すべて属性弾を使います。よく使われている属性弾は水属性弾、火属性弾、電気属性弾、神聖属性弾です。他にも属性がありますが、大抵はこれで足ります。そして最果て弾が最近出てきました。ちょっと前まで竜弾や光属性みないなマイナーなモンスター用の属性弾もありましたが、今はこの最果て弾のおかげで、そのモンスターを意図的に狩りに行くとき以外はあまり使われなくなりました。マシンガン、機関銃、狙撃銃はエネルギーパックが必要です。散弾銃と狙撃銃は1回で複数の属性弾を発射できます。


まあ、ここにある武器の説明はこれくらいですかね。抜けているところとかありました?」

ゆりちゃんは俺の方を見ながら聞く。


いや、俺よりも詳しいと思うよ。俺パーティーが持っている武器くらいしかわからないし。


「とりあえず、怪力スキル持ちの森は、大剣か機関銃、ハンマーが無難だと思うぞ。」

そういって真斗は森に大剣を渡す。森は大剣を片手で持って振り回す。


「あれー、その大剣ってそんなに軽々持てるものだっけな?20kgくらいあったはずなんだけど。」

真斗の言葉にみんなが驚く。


「いや、これが俺のスキルだから。なんというか木の棒くらいの重さだな。」

そういいながら森は片手でブンブンと振り回す。


「俺、大剣引退しようかな。両手なら振り回せるけど片手は無理。」

真斗が少し引いている。


いや、真斗も十分すごいと思うよ。


「真斗、もう一本大剣ある?」

森が二本の大剣を振る。

「うーん、両手剣って意外と難しいな。

森の大剣を振り回す姿を見る真斗。ちょっと真斗がかわいそうになってきた。


「でも、やっぱり軽いや。ハンマー持ってみよう。」

そういって森はヘットが一番大きな重そうなハンマを2本持ってくる。


「おい、そのハンマー1本50キロはあるぞ。」

真斗の忠告を無視してブンブンと振り回す森。

「おれ、ハンマーにしよう。ちょうどいい重さで振り回しやすいから。」

森は武器が決まったらしい。


「私はウンディーネで飛べるから、それが生かせる武器がいいわね。」

「お前がウンディーネか。全然水の妖精には見えないな。」

「うるさい!」

神山に突っかかる森。そういいつつも神山に合いそうな武器を探している。


「神山さんは狙撃銃と散弾銃の組み合わせ武器がいいと思います。ここにはないですが、近距離も遠距離も空中浮遊ができるので有利だと思います。念のため動きの邪魔になりにくい短刀なんかを持っとくのはどうでしょう?」

神山さんに的確にアドバイスするゆりちゃん。


「そうね、きっと銃系がいいとおもうわ。わたし森と違って馬鹿力ないし。」

「馬鹿ってなんだよ。」

神山さんも森に噛みつく。


神山さんの武器も決まったようだ。


「私はそうね。水面歩行だからみんなと違って戦闘に有利な能力ではないからね。」

鈴は悩んでいた。

「それなら志帆と同じように、ハンドガンとナタナイフの組み合わせか、松ちゃんみたいに、アサルトライフルと長めの切断系武器がいいとおもうわよ。」

アンジェリーナがそれぞれの武器を鈴に持っていく。


「ハンドガンとナタナイフの組み合わせは近接戦闘を重視した組合せで両方を同時に使えるのが特徴なのよ。アサルトライフルと刀なら、場所に合わせて武器を切り替えるという戦い方を変えられるが、どちらかというと中距離戦闘中心だな。ハンドガンとナタナイフの組み合わせは運動が苦手だと中々難しいが、使えるとなかなか強い。」

アンジェリーナが説明する。

「なら、私はハンドガンとナタナイフの組み合わせがいいわね。難しいほうがやりがいがありそうだし。」

鈴の武器もきまったようだ。


「近距離が一人、遠距離と近距離両立が2人、中距離と近距離が1人。意外といい組合せになりましたね。ちょっと遠距離に偏っていますが、近距離でも戦える装備にする予定なので問題はないでしょう。銃火器系武器を持つのが3人なので、月パーティーのスタイルとは逆のスタイルになりそうです。月パーティーには狙撃銃持ちはいませんからね。敵が遠ければ突っ込むしかできません。そこを補える神パーティーはギルドの2つ目のパーティの組み合わせとしても最高ですね。」

志帆は冷静に分析する。ある意味最高の誉め言葉だ。

「あとは銃がどれくらい使えるかですね。このギルドにも射撃訓練できるスペースができたので、そっちで実際に撃ってみましょう。」


ーーーー


訓練場

広い空間で、壁のコンソールでいろんなモードにできる。洞窟や岩場など実践的なこともできるし、データを購入すればモンスターと模擬戦もできる。そして射撃場にもなるのだ。


志帆はコンソールで射撃場にした。

「これで射撃を練習することができます。弾は属性弾ではなく、ペイント弾を使ってください。属性弾は高いので、練習向きではありません。それにどこに当たったかわからなくなります。ちなみに属性弾は人に当たってもダメージはありませんがとてもエネルギーパックを使ってる銃などで撃たれると痛いです。ですがペイント弾はそれほど痛くありません。50度のお湯で溶けて無色になりますし、1日で蒸発して消えるので最近はサバゲーでも使われている弾です。ここには松ちゃんがすごい量のペイント弾を使うので沢山ストックしています。どんどん使って大丈夫です。」


志帆先生、耳が痛いです。


「では月パーティの銃器持ちが順に撃ちます。松ちゃん以外は参考になると思うので見ていて下さい。」


アンジェリーナがリボルバーにペイント弾を入れて構える。的は6つそのうち3つは動いている。


アンジェリーナは3発連続で止まっている的を撃つ。そしてすぐに動いている3つの人形の的をリズム良く撃つ。


止まっていた的は中心からずれているものの、しっかりと当たっている。動いていた人形は1発が胸の中心、1発が右肩、もう1発は外していた。

「あー、緊張した。1発外したか。でも連射で止まってる的は当てられてよかったわ。」


「次は私です。」

そう言って立ち上がり、ペイント弾を装填。

俺は志帆の射撃の腕を知っているそれは何というか感動するレベルだ。

先ほどと同じ条件で、静止的ほぼ中心。人形は全てヘットショット。


「大体いつも通りくらいです。私は元々サバゲーが大好きですし、家がど田舎に関係でサバゲー用の銃を毎日撃っていたのでできるだけです。これが普通ではないので。ただこの距離なら練習すればこれくらいできるという見本です。」


最後に俺にペイント弾を渡す志帆。

俺の銃はポーションのみしか打てないので、訓練用に専用の小銃がある。アルおじさんに頼んで作ってもらったポーション銃とほぼ同じ反動と射程を持つ銃だ。


俺は静止的を撃つ、そして動いている人形を狙いを定めて撃った。先の2人と違い、撃って狙いを定めるのに時間がかかる。


結果は静止的、ギリギリ端っこに3発とも当たっている。

人形には腰の端に1発、肩に銃弾がかすった跡2発で1発は外した。


「今日はうまかったですね。静止的も1発は外すと思ってました。」

志帆先生が俺を褒めた。


「こんな感じです。まっちゃんは最近練習したので下手に感じるかもしれませんが、これでも上手な方です。モンスターはでかいからそれほど気にすることではないですが、味方が戦っている間でも撃つのなら訓練をした方がいいですし、その方が強くなれます。では、神山さん、鈴さん、一ノ瀬さんも撃ってみましょう!!」

志帆がなんだか楽しそうだ。きっと教えるのが好きなんだろう。


3人はそれぞれの銃を構えて、それぞれの静止的に銃口を向けた。

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