第35話 カメオ! おおカメオ!

 昔、まだアナログ放送だったころ。ケーブルテレビが観られたんです。まあ、そもそもテレビっ子ではなかったので、殆ど選局することはありませんでしたが。ただ、たまに観ていました、ショップチャ◯ネル。

 宝飾品が出ていたときはガン見してましたね。

 製作家の職人さんが出てきたり、素材の説明をしてくれたり、値段で価値が理解できたりと面白くて。細かい内容は覚えていませんが(笑)。


 そのときにカメオが出てきたんですよ。特集で。

〝シェルカメオ〟が。

 ずっとカメオって石だと思っていたので、原料の大きな貝を見せられて驚きました(象牙や溶岩石、大理石、珊瑚も原料になるとか)。

 ──ゑぇっ、貝⁉︎ 巻貝⁉︎

 それも種類があって、代表的なのはサルドニクスとコルネリアン。作中に出しているのは〝コンクシェル〟という貝のものです。上品なピンクで、石である瑪瑙よりも柔らかい質感。

 彫り部分が肉厚なものが高級であるという説明は覚えています。立体的に彫った薔薇の彫りの高さをズームアップして見せてくれたわけです。「ご覧ください、この見事な高さ!」みたいな興奮した女性の声に「ほおおぉお♡」と思ってましたねぇ。


 なんか、ロココな感じしませんか、カメオ。

 宝石箱の飾りにも付いてたり。

 大きいものはそのまま額装して飾ったり。

 宝石よりも、惹かれます。いえ、宝石も大好きですけど!


 結架にはカメオが似合う気がします。

 でもって、初期稿時点において集一が結架に贈ったのは、よく見る女性の横顔のカメオという設定でした。チョーカーバンド付きなのは同じです。ブローチにも使えるのも同じ。ただ、イヤリングは無しで、専用の宝石箱や鞄型ケースも存在してませんでした。もう一つ、いずれ揃いのアクセサリーは出てきますが。


 三美神って有名ですよね。

 前述の番組では、カメオのモチーフとして紹介されていました。

 そして、生き生きと駆ける馬も。

 それが頭の中に残っていて、よし、薔薇と馬と少女にしよう。などと思ったのです。面倒なので絵は描いていませんすみません!


 そして、実は構想段階ではカメオではありませんでした。宝石でした。

 そのころに描いたのが、2021年7月6日の近況ノートに貼った画像の絵です。宝石そのものが何だったかは記憶が怪しいのですが、多分、あの絵を見るかぎりではオパールだと思われます。いや真珠かも? いや違うか? でも丸い。うん覚えてない。

 ただ、描いたとき、小学校高学年のときに読んだ児童書に登場したブローチ(首飾りでもある)も、イメージとして頭にありました。ドラローシュの描いた絵(実在します)の中で、処刑されたイングランド女王レディー・ジェーン・グレイの侍女の胸に掛かっていた首飾り。縁起悪いけど。


 ショッ◯チャンネルでカメオ特集を観ていなければ、そのままだったでしょう。何気にイタリアの工房の職人さんが出演していて、それも心を決めた要因です。そういうものにも縁を感じちゃうんですよねぇー。

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