第25話 消えた登場人物と物語の変更点

 だいぶ見通しが立ってきました。

 多分、なんとかなりそうです。本篇。

 と言っても、まだ修正作業はありますし、エピソードの差し込み作業もある上に、もうそろそろ話数のストックが切れます……。

 もう頭を上げるのが出来ないです。ごめんなさい頑張ります。ずっと言ってるな、これ。


 ええ、現在も、ちょっとした矛盾点をあれこれいじって解決させようとしてはいるのですが。

 打ち明け話をしますと、第三幕第二場、魅了への息吹(2)からの部分も、矛盾というか、おかしな点を数年前に直してます。


 カヴァルリ兄弟が登場した契機となった、ちょっとした事件。

 1995年の初稿当時、実は、現在公開した内容とは違っていました。


 というか、初稿では、カヴァルリ兄弟は存在していません。


 かわりに、二人の人物が重要人物として初登場することになっていました。雑誌記者の女性と、カメラマンの男性です。一応、ちゃんとフルネームもあるのですが、多分、もう、出ません。


 そうです。

 初稿では、結架のピアノ演奏が非難されたのは、雑誌上の記事となっています。そして、小規模な会見を開くところまで流れていました。

 なんで変えたのかというと。


 理由の一つとして、クラシック演奏家のスキャンダルとして日本の大衆がここまで騒ぐのを想定するのは不自然だと思ったから。

 現在だって、別にクラシック演奏家が海外の何処で個人的な活動をしようと、関心を抱く人は僅かで、雑誌記者が動くなんてことはないでしょう。イタリアでは騒ぐかもしれないけれど、その実像を知らない上で書いて、結架が日本の状況を恐れるのも、説得力に欠けるものにしかならない自信がある。

 そもそも結架は日本国内でも顔が知られていない設定。そして、インターネットやSNSがここまで発達した2021年現在の読者の感覚としては、インターネット上で騒ぎが起こるほうが身近に感じやすいだろうなというのもあります。

 2001年という設定上、HPをクラッキングしてページを改竄、というくらいがちょうどいい。の、かな。

 かな……。


 もう一つの理由。あまり騒ぎが大事おおごとになると、結架と鞍木が恐れていることに収集をつけることが困難になり、無理が生じるだろうと思ったから。また、集一の背後にいる人物がのちに傾く方向に、ズレが生じるため。

 ということで、さらに一人、登場人物が消えます。そして、消えることは免れたものの、完全に役割が変化した人物まで出ました。名前や性格などは然程変えないものの、関係性が大きく変わりましたが、まあ、仕方ない。


 うん、やっぱり、2002年版〜2020年版の物語設定のほうが、より相応しいと思います。1995年初稿版は、本当に、昼ドラ感に満ちていますから。いやいや、そりゃないだろう感が強い。いまの文章を読むと、当時よりも情報や教養を詰めこもうとしてリキんでいる感じはありますが、流れは良くなっている、はず。劇画調になった気もするけど(笑)。


 情報の裏づけも、昔よりは出来ていると思うのですけれども……。


 ただ、増えたエピソードもあれば、削るしかなさそうなエピソードもありますね。ここで、これを残すと、話が滞りそうなので……。


 それは、ずばり、

 結架の初めての異性の部屋への外泊!

 ──からの、体調不良!

 カルミレッリ絶叫&マルガリータ快哉!


 これ、実は陰謀が絡んでいるので、省きたくはないんですけど……その人物も、だいぶ立ち位置が変わっているので、調整が難しそうだから省いて正解かな……。いやでも本当、省きたくない。省かないほうがいい理由もある。省きたくないのは、主にカルミレッリが可愛いからだけど。ちょっと、試行錯誤しますね。予告しといて無かったら、ごめんなさい。そのときは番外篇で書こうと思います!


 そのエピソードで、トリーノで名産ともいえるチョコレートを登場させることが出来るんですけどね。いえ、このチョコレート自体は、トリーノ製ではなかったんですけど。

 ちなみに集一は楽器を吹く時間にチョコレートは口にしません。唾液が粘つくので。飲み物の砂糖も最低限で、味は度外視します。歯を磨けばいいのにという意見もあるでしょうが、それもまたダブルリード的に、あまり好ましくない。というくらい、神経質なんです、彼。


 クラリネットを吹くとき。マウスピースという咥える部分に金具リガチャーでリードを固定する前に奏者が必ずするのが、リード単体を咥えて唾液を沁み込ませ、水分を適度に含ませること、です。これはシングルリードなので、口に入れて馴染ませれば済んだのです。

 が。

 オーボエは、ダブルリードです。

 両側の湿り具合が等しくならないといけないので、同じように咥えるのでは、ちょっとよろしくない。舌でベロベロ触れるのも割れやすくなるので望ましくない(シングルリードは、わざと舌で水流を作って早く湿るようにしてたこともあるけど。途中でリードが昇天しちゃったときなんかは)。

 ということで、カメラのフィルムケース(蓋があるのが最高! 私は当時、ミッキー○ウスのお菓子のケースが同じくらいの大きさで可愛かったので愛用してました)に水を入れ、リードを暫く挿しておくのです。

 これ、本当はシングルリードも、こうすべきみたいなんですけども、少なくとも学生時代、誰もやってるの見たことないです。咥えたほうが楽だもん。

 ダブルリードみたいに湾曲して向き合わせている構造だと油断ならないけど、シングルリードは極端に言うと一枚の板という感覚でいられるので(あと硬さも確かめやすいので)、咥えてましたね。浸しすぎてもダメなのもあり、余計に口中で準備させてました。

 さらにいうと、端が欠けても、小さな欠けであれば使っていました。お気に入りリードなら、完全体のハズレクズリードより頼りになるので。ダブルリードは僅かでも欠けたら、もう諦めるしかなかったですけどね、ええ。本当に、値段からしても、ダブルリードは、痛い。

 クラリネットのリードは一箱に10枚。ハズレクズリードは棄てます。削って調節する技術なんてないので。まあ、ちょっと吹きにくいレベルのハズレリードは使ってましたが。

 当たりが一枚でも多いと、機嫌が良くなります。そのとき練習している曲との相性がいいと感じたら、本命リードとして保護カバーに可愛いシールを貼ってました。バンドーレンの保護カバー、透明でリードの色とか繊維の目が見やすいから、そのまま使ってましたね。箱にしまう順番でリードの地位もわかる(笑)


 プロの方は、どうなのか知りませんが、私の感覚だと、唾液が濃すぎても薄すぎても、よくないんです。単純に濃いと不快で、薄いと音が違ってくる気がする。多分、口に咥える時間の感覚がずれるからでしょうね。プロは、そのへん、経験でちゃんと調整できるのかもしれません。

 ただ、不快だろうとなんだろうとチョコレートは食べたい、ということで、女子高生時代は普通に食べてました(ダメじゃん)。


 そういえば、全然、役に立たない知識ですけど、個体モノによって味が違ったような記憶があります。まあ、植物なんで、美味しくはないですね。不味いとも思ったことないですけど。繊維の細いほうが好きでした。厚さでも変わってたから、あれ自分の唾液の味だったらどうしよう気持ち悪いな。

 あと、寿命を迎えたクラリネットのリードを がじがじ噛むのも、私だけですかね。

 この話題、当時は気にも留めてなかったので、同じリード楽器の子たちと分かち合ったことないんですけど、みんな、どうだったんだろう? 誰か、これ、話せる方、いませんか?


 全然、話が変わっちゃった……。


 変更前エピソードの御披露目を、未公開エピソード短編集みたいにして、どこかで公開しようかなという話題に持っていくつもりが、リード語りになってしまって、ごめんなさい。

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