第15話 基礎学習を疎かにしていると、こうなる。
ちょっと遡ったエピソードに関してなのですけれども。
最近になって はじめて知ったことで、落ちこんでおります。
何かというと、音楽用語的に厳密には正確ではない使い方をしてしまったのです。
第三幕、第五場、よき領主の治めるところ(5)。
結架と集一の共演をジャーコモが集一に願い出る場面で。
と、ルビを当てています。
んが!
duet(英)、duo(仏)、Duett(独)、duetto (伊)とは、本来、『2人の演奏者のための伴奏つきまたは無伴奏の声楽または器楽の曲であり、ここでは2人の奏者の重要度は ほぼ均等である。この用語は18世紀から今日までの鍵盤楽器と他の楽器のためのソナタには通常は適用されない。声楽に「duet」、器楽に「duo」を用いることを好む作曲家も存在するが、この使い方は決して普遍的なものではない。』
……はいっ、アウトォオー!
鍵盤楽器であるチェンバロやピアノは原則的に通奏低音を受け持ちます。
旋律楽器であるオーボエとは〝対等〟ではないので、先に引用した通りの『2人の奏者の重要度は ほぼ均等』にはあたらないのです。
本来の語句の意味として正しい編成ではヴァイオリン2挺だったり、ヴァイオリンとヴィオラだったり、フルート2管、ピアノ2台といった組み合わせのことを指すわけですね。知らなかった、この
と、いうかですね。
そこまで厳密に二重奏について就学時に学んだ記憶がないのですけど……K先生(恩師)、どうでしたっけ?
単純に2人の奏者が奏でる楽曲の形態を二重奏と呼ぶと思い込んでました。ですが、正確には、伴奏があろうとなかろうと、対等な2人の奏者が演奏することを、デュエットという。
これを理解していないで、書いちゃったんですねぇ。血の気がひきます。
〝縁組〟にも、〝デュエット〟とルビを当て、イタリア語においては〝似合いの二人〟、〝言い争い〟、〝動物の吠え合うさま〟も表すと書いて悦に入ってましたが、すっごい恥ずかしいですね。申し訳ないです。お読みくださっている方が多くないのが救いで(あっ、自分で自分に致命傷をくらわせ……っ吐血)
ただ、
モーツァルトくんが『ヴァイオリンによる伴奏つきピアノ・ソナタ』を書いてまして。これは、『2人の奏者の重要度は ほぼ均等』になると思います。
また、ベートーヴェンの『クロイツェル・ソナタ』なんかは、完璧に対等だそうです。
──ん?
そうなんです。
『通常は適用されない』。
ただし、楽曲によっては、適用される。
セ、セーフ〜⁉︎
ありがとう、モーツァルト! あなたの曲にして、良かった‼︎
歌曲の編曲版も選曲しちゃってるけど、もういいや!(だってメインはモーツァルトだもん!)
ごめんなさい、音楽を専門に学んでおられる方々!
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