第32話 性愛の話に苦労する(3)フレンチ・キスって、今でも言うっけ?

 ええ、もう4話目の呟きですので慣れてまいりました。抵抗感いっさいないですね。やはり汐凪も痴女のはしくれ(違うイヤ違わないかド痴女だ!)。


 劣情を動物的と感じている結架。

 きわめて人間的な欲求だと断じるマルガリータ。


 そういえば、フレンチ・キスという言葉。

 最近は、とんと聞かなくなってる気がします。ディープ・キスなら、まだ聞きますが。

 そんでもって、汐凪が〝フレンチ・キス〟を初めて耳にしたのは、海外ドラマです。『フル◯ウス』というハートフルなコメディで、多分ですけど、ステファニーが「フレンチ・キスってなぁに?」と、あの可愛い声で訊いたシーンがあった、はず? あれ、それとも別のドラマだったかな。でも、瓶まわしゲームとか、ドナ・ジョーの初彼氏とのお付き合いについてとか、結構、アメリカの性教育事情もチラ見できて、いま思うと面白いだけではない、いいドラマだなぁと思います。


 インターネットで調べたところによると。

 キスって、他にもいろいろとあるらしいですね。


 ニプルキス。

 タングトレインキス。

 ピクニックキス。

 ストローキス。

 バインドキス。

 リズミカルキス。


 カクテルキス。

 オブラートキス。

 インサートキス。

 サーチングキス。

 クロスキス。


「なんだそれ、知らねぇ」

 と、思いましたが、詳しい説明を読みましたらば、まあ、ディープ・キスの細かい分類のようですね。ここで詳細を書くのは流石に控えますが、愛情表現って、いろいろあるんだなぁ……というのが、感想です。


 まあ、勿論ですが、相手にとって苦痛にならないよう、その反応を見極めて、あくまでも、相手を大切にしている気持ちを伝える心づもりで行いましょう。


 そこ考えると、集一は大変そうだなぁ。

 結架が「イヤ! けがらわしい!」とか叫ぶような状況は作者の私も想像できないんですけど、まあ、なんていうか不埒な行為って『下ネタ』という表現があるように、不潔というか下劣というか、マルガリータの言うように卑しむ言葉があるので。欲望が先に立つ、人間的な感情。簡単に犯罪になりうる行為。

 自身の気持ちを伝えつつ、相手の気持ちを確かめる。

 相手の気持ちを尊重しつつ、自身の欲求を満たす。


「女は灰になるまで」

 という有名な話もありますが、じゃあ、いつからか? というと、心も肉体も成熟して愛を理解して行為の意味も納得して……となると、大人になっているからといって、皆が皆、求めるわけでもない。


 最初に肌を合わせる相手の人品や知識や技術や思いやりや相性にもよるとは思いますけどね。それは、マリオ・プーヅォの著作『The Family』を読んだときに、すごく思いました。男女に、それは共通するのか否か、誰か議論できる方々がいると面白そうです。繊細な話題ですからね。そうそう出来るものではありません。


 何はともあれ、準備体操に始まり、足を水につけて胸に水をかけて、さらには顔を水につけましょうというところまで来ました。

 次回。


 初心にしては知識は備えていたらしい結架に。


 いきなりクロールで泳いでみろとのたまう、マルガリータの回です。

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