芦花公園ホラー賞講評

「バイオミート見学ツアー」@dekai3

　黒人:真奈美お姉さん、なんて図々しいんだ。

　私も個人的信条で「鳥さん豚さん牛さんかわいそぉ☆」の人々とは仲良くなれないのでこの皮肉な近未来には意地の悪い笑みが浮かんでしまいますね。

　スラスラっと読めますし、真奈美お姉さんの語り口から気色悪い笑顔まで想像できてしまって面白いです。

　ただ、テーマとしては非常によくあるもので、タイトルからも予想がつきます。人間のような見た目のものに対する非人道的な扱いを嫌悪感たっぷりに描写できるとより怖かったのではないかなと思います。真奈美お姉さんは十分不気味でいいキャラしてるんですけどね。（「なまづま（堀井拓馬）」などが参考になると思います）

人外：ようこそ北海道へ。いや、好きなんだけど！　こういうの好きなんだけど！今回は最低5000文字スタートのレギュだったので読みづらさが目立ってしまう感じでしたね。

　初手は会話と地の文である程度回してから途中で長台詞入れてドカーンしたほうがメリハリついて、この作品で見せたいヤバさも見せやすくなった気がします。

　恐怖というものには鮮度があるって話じゃないですけど、最初からやばいやつが来ると身構えてしまうんですよね。それで鮮度が落ちてしまってはせっかくの恐怖が勿体ないというもの。

　とはいえ、この内容を読ませるのはやっぱり地力があるとも感じます。

　長くKUSO小説界のバーリ・トゥードを生きているだけはあるって思わせてくれました。なので気になる点ばっかり指摘したけれども、体力ある時に読むとちゃんとドライブ感で一気に持っていってくれる面白い作品です。

　味を保ったまま多くの人が食べられるような加工をする余地があるというだけなので引き続き頑張って欲しいです。

巨乳：まず真奈美お姉さん(90)は間違いなく巨乳ですね。僕の目はごまかせません。

　全盛期のふわふわましゅまろおっぱいをたわわに揺らしながら案内するんですよ。2億点です。

　SFっぽいお話だなと思ったのですが、真奈美お姉さんの不安になる語り口がいい感じに怖くてよかったです。

　好きな人とお肉の交換は絶対してるでしょ…それでなにか気持ち悪いこととかになるといいですよね。

　すごい面白いお話だったんですが、個人的にはホラーといえば異常者なので、真奈美さんがもう少し異常者に寄っていたり、なんらかの事故でどうにかなった存在がしのびよってくるとか、理不尽さがあるとホラーとしてもう何段階か怖い話になったのかもなーと思います。

　あと真奈美さん(90)が最高でした。

　真奈美さん(90)のお肉をください。