芦花公園ホラー賞講評

「お清と亀公丸」武州の念者

　黒人:安珍清姫！安珍清姫じゃないか！という感じの、安珍清姫リブート作品でした。

　まず文章力がかなり高いですね。難しい単語も出てくるのですがスルスル読めます。

　そして特筆すべきは美少年描写。お清が尋常ならざる美少女だということもわかるんですが、それより際立って美しい感じがする亀公丸。肌の質感とかまで思い浮かぶ。直接的な表現はそんなにないのですが非常に官能的です。

　他の作品も読ませていただいたのですが完成した文体で「俺の美少年を喰らえ」をやっているので非常に好感が持てます。

人外：民間伝承に題材をとった時代物ホラーです。

　時代物ホラー良いですね。今回の時代物ホラーいずれも高品質です。

　文章が綺麗で読みやすい。筋立ても当然良い。

　すごい丁寧に描いた安珍清姫伝説だと思います。

　ある作品のパスティーシュ書いた時に僕も言われたんですけど、原典との何がしかの違いをバーンと見せないと印象が残りづらい。

　この筆力ならオリジナル書いても面白いと思うんですよね。

　あっ、痛い。ブーメランが痛い。大激痛。痛みを堪えて言うと、綺麗にまとまってるけどもう一味欲しい、になります。昔の伝承を時代物でやっても差異が出づらいですよね。めちゃくちゃ美味いだけにね。めちゃくちゃ美味いからこそワガママになる悪い読者です。ごめんなさい。

巨乳：きよひー！！！！！！！

　取り乱しました。安珍様ではなかった。

　清姫伝説を下敷きにした時代小説ホラーなのかな？この作者さんの美少年の描写とても好きで、今回も良い美少年が出てきたなとおもったら、褐色野生味あふれるショタも出てきたので大変。

　とても良い美少年小説でした。

　お清ちゃんがめちゃくちゃ行動的で自己中なやべーやつでよかったです。現代のメンヘラは物の怪になれないのでよかった…そんなことを思ってしまう良い小説でした。