「遍く遍く」古代インドハリネズミ

 黒人:古代インド史+深淵のものを題材にしたホラーですね。頓服さんのときも言ったんですが自分の持つ知識をきちんと武器にできているのは素晴らしいことです。

 天才を描くときって自分も天才でない限り相当気を付けないと陳腐というかバカな人の一生懸命考えたカシコイ人になってしまって一気に魅力がなくなるのですが、これはかなりうまく処理できていると感じました。

 起承転結がかなりしっかりしていて寓話のようでもありました。

 怖いかどうかというとあんまり怖くないかな、特に容姿の描写はないんだけど可愛い少年が悲惨な目に遭うところに注目してしまって、その、なんていうか。


人外:着想や題材はすごく面白いし、怪異の深淵も実に深みが有って良いものです。

 ただ、よくも悪くも神話的すぎる。

 ラヴクラフト作品は世間一般的に読みづらいと評価されています。

 僕は、単純に御大の語彙の豊富や御大の感覚が世間からずれているというだけではなく、筋立てが突飛すぎる作品がしばしばあることが原因だと考えています。

 逆にこの筋立ての突飛さを補う為に丁寧に文字数を使い主人公のキャラ立てを重点的に行なった作品が御大の名作(インスマスを覆う影、神殿、異次元の色彩)となっていることからも、分かっていただけるかと思います。

 コズミックホラーらしい作品なのですが、コズミックホラーの弱点までトレースしてしまったことが惜しいですね。あっ、まって。これもダメージが入る! なんで2連続でブーメラン投げてるの僕!?

 主人公のキャラそのものはしっかり書いているんですけど、それだけに主人公が入り込みづらいキャラだったのが惜しいです。


巨乳:インドコズミックホラー!ヴィシュヌとアルジュナのBLでした。よかった。

 イン哲と巨乳大好き神奈川県町田を愛するカウパーさんがカクヨムにやってきてくれた…。

 どんな小説を書くんだろうとワクワクしていたのですが、すごい。インドでホラーでした。

 万物に宿ると言えばVISNUだし、宇宙と言えばVISNUですもんね!と納得しながらサクサク読み進められました。

(インドラだと思ってたけど、息子のほうね!!!と作者さんのツイでみて納得をして読み直してきました)

 怖さというよりは、個人的にはワクワクとインドラくんの息子がインドラくんの怒られやすいを引き継いでる…説教される生き物だもんね…という満足感が勝ってしまったお話でした。

 これからもたくさんいろいろなお話を公開してほしい作者さんの一人です。あと、町田は神奈川です。


黒人:町田は神奈川です。

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