　黒人：出ました異常者小説！本当にこういうの好きです。

　文体も非常に優れていて、口調の気持ち悪さと行間の圧迫で、自分が語り掛けられているような錯覚を覚えてしまうんですよね。

　一話目が終わるころには既にこの異常な男への嫌悪感はマックスになりました。

　単なる嫌悪感で終わらないところがこの小説は優れていて、最後のバースデーのシーンで背筋を虫が這いまわるような不気味な味わいになるんですよね。

　どんでん返しとかはなく一貫して気持ち悪い男がキラキラの目をして好き勝手言ってるだけなのにここまで肝を冷やされるとは。素晴らしいです。

　キモ男は死んでも治らない。

人外：サイコ野郎のターンだ～！

　と思ってウキウキ読み勧めたら横合いから殴られました。

　今まで知っていた作品とはまた異なる味わいでグッと来ました。

　これネタバレしたくないから細かい言及は避けるんですが、実に怖くていいと思います。

　初手からの変則抜刀、文字数短めなのを活かして速度で正確に振り抜いて、きれいに斬られました。

　しかもサイコ野郎のある種のヤバさ、最後のオチで納得力（ちから）が生まれちゃうんですよね。

　もうあいつはずっとこんな感じだったんだろうなと思うともうほんときつい。

　いい作品でした。主題が明確でシンプル。これはこれで完成しているのでもっと色々ホラー書いてみてほしいです。

巨乳：アベニキー！！！剣と魔法のファンタジーも、中華な雰囲気の時代小説も書いている本物川小説（ももも）大賞常連さん。

　今作も読み易い文章と、詰め込んで書かれた自意識が高そうだとわかる一人称での供述。

　インターネットにもよくいる自認がおかしくて、思い込みが強い人をうまく描いていて、こいつがどんなことをやらかすのかワクワクドキドキしながら読みました。

　説明的を読まされてるなと言うストレスがなく、物語に没入出来て楽しめました。

「一生現役、生涯青春」と言いのける主人公の最悪さがめちゃくちゃ好きです。

　僕は、左安倍虎さんの「魂までは癒せない」も好きです。この作品が好きな人はハマると思うので読んでね！

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