芦花公園ホラー賞講評

「少女怪奇」修一

　黒人：タグに怪奇小説とあるように本当にそういう読み口の作品です。

　直球の恐怖ではないんですけどじわじわ日常が侵食されていく感じ。各話のタイトルで不気味なカウントダウンが行われているし。

　解釈は人によるけれど個人的には百合と思えるほどのクソデカ感情は読み取れませんでした。

　一体どういう理由で、どういうタイミングでバケモノが危害を加えてくるのか全く分からないモヤモヤ感が対処しようのない怪奇の恐ろしさと徒労感を感じさせてくれて良かったです。

　多分最後の「？」にはもう少し説明を入れた方がストーリー全体への読者の理解が高まると思います。説明しすぎても怖くなくなってしまうので難しいところなんですが。

人外：選球良いですね。キャラ萌えホラー、これから生き残っていくための大事な道だと思うんですよ。ホラーはキャラ文芸に飲み込まれるしかカクヨムで生きる道無いみたいですからね。悲しい。

　そんなわけで僕もキャラ萌えホラーを追求中です。仲良くしましょう。

　ただせっかく女女感情を発生させるのですからもっとねちっこく二人の日常を描いていてよかったと思いますよ。

　人食い妖怪と霊感JKの関係性はもっともっと描写できるし、もっともっと掘り下げられます。

　クソ重女女感情とか、奇妙な復活とか、描写増やしたら絶対に楽しんでもらえますから。搾精病棟みたいに。

　書かずに伝わらないで終わるくらいなら、やりすぎるくらい書いちゃいましょう。

　キャッチコピーからもうやりたいことが伝わるのに本文中だとそれが伝わりきらないので本当に惜しいんですよ！

　キャラ萌えホラーは実戦向きの流派なので、俗っぽくてもそれでやっちゃいましょう。

巨乳：妖（あやかし）！百合！異類交流！懐いていたナニカが別の顔を見せてくる怖さ！

よかったですね…。

　何回か読み直したんですが、最後だけちょっとわからなかったです。タイトルが逆行してるのでループものってことでいいのかな？

　あとあと、ユウコちゃん可愛かったですね。

　カーディガンを裾を掴む描写、後半の主人公の手をもぐもぐし始めた時の「ごめんね」連打とのギャップがめちゃくちゃ好きです。