「相貌」深恵 遊子

 黒人:クトゥルフのことはあまり詳しくないのでその辺の解釈は人外先生にしてもらいましょう。

 全くそう言った知識のない立場から読んでも結構怖かったと思います。正直な話最初から最後までよく分からないままストーリーは終わってしまうんですけど、出てくるキャラクターの造形のリアルさや、なんかうまくいってない人間関係のギスギスがとても不快に伝わってきます。表現力も文章力もかなり高い作者さんだと思いました。

 ただ、やはりストーリーは分かりにくいです。怪異の説明はあまりしない方がいい、それは正解なんですけど、その他の部分が薄味だと思いました。

 こういう不気味な民俗学テイストが入ったやつ好きなので、(今回は字数の問題で不可能ですが)もう少し広げたバージョンが読みたいですね。


巨乳:よく出来た洒落怖みたいな話で好きでした。

 田舎で祀られてる神様に魅入られた系の話が好きなので読んでいて楽しかったです。

 これは多分クトゥルフを知ってたほうが楽しめるんだろうなと思ったんですが、僕にその素養がなかったので雰囲気だけの怖さしか味わえなかった気がします。

 元ネタの解説とかは謎の人外さんに期待しよう…。

 第十回本物川小説大賞の時も思ったんですが、この作者さんは作品の構成が綺麗で、今作も最初の文章と最後の文章でキュッとまとめる構成がすごく綺麗だなと思いました。

 これからもどんどん作品を書いていってほしいです。


人外:面白かったけどこれ俺以外の評議員からしたら多分謎すぎて分かんなかったから! ばーかばーか(好きですありがとう)!

 俺は本当に好きだけどさ! 正直こういうの好きだけどさ! 一人で盛り上がって噂とかされると恥ずかしいし……でも好きだったよ。すごく好きだった。

 知らない人にはわからない要素を最後の最後に一滴だけ垂らすとか、逆に知っている人からすると初手で何が起きているか一発で分かるけど知らない人には「最後に残された謎が興味深いですね」って言われる程度にしたほうが完成度は上がります。

 面白かったよありがとう!

 イゴローナクとその覚醒の為に動くイゴローナクの情婦という流れでしょうかね。燃える瞳があるのでニャル様が関与してたと見るのが正しいでしょうか。正体のわからないものを安易にニャルっていいたくないんですが、ニャルとするとまあ分かりやすくなりますね。日本は神話的な諸々が封じられているので、軽率に古い神社から神話的存在が飛び出してくる。主人公には探索力が足りなかったようですね!

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