「笑え。笑え。笑え。」宜野座

 黒人:はい、来ました。「世にも奇妙な物語」とか「惨劇館(御茶漬海苔先生)」に絶対何話かある系の理不尽ホラー。

 無理に笑いを強要されるシーンの息苦しさ・表情筋の痛み・切羽詰まった心情などは大変良く書かれています。読みながらほっぺ痛いってなりました。

 全体的にまとまっていて読みやすいと思います。

 これは個人的な好みなので流してもいいのですが、ストーリーはちょっとチープだと思います。映画や漫画ならば画面の迫力でスプラッターものとして成立するのですが、小説だと、残酷描写はよほど精密な技量を持って行わないと読者はリアルに想像することはできずともすれば少しコミカルにさえ感じてしまうため、結構難しいです。そういうわけでホラーとしての説得力という観点から見ると、冒頭から想像できる結末に着地してしまっていて物足りなさを感じます。

 もうひとひねりこちらの予想を裏切ってくる結末であればより良かったと思います。


人外:アイディアは好きです。

 見せ方が惜しくて、映画じゃないので最初に派手なシーン入れてもキャラに入り込んでもらえないと実はツカミにならないんですよね。

 あくまで俺の好みですが、冒頭のシーン無い方が絶対にウケ良いと思いますよ。

自分の好きになったキャラが冒頭みたいな目に遭った方が絶対に入り込めるじゃないですか!

 あと時系列が乱れるのも映画じゃないのであんまり喜ばれません。

 せっかく主人公が好感を持てるキャラなので、主人公と他の参加者にフォーカスしたほうが美味しくなる気がします。

 最後になるんですが恐怖は鮮度が重要なのでクソゲーがクソゲーのままだと読者もああはいはいってなっちゃいます。

 怖くて読んだ人が嫌な気持ちになればOKって多分そういう意味じゃないと思います。

 なんか見覚えがある……から一歩抜け出す為にも古典の名作を少し読み込んでみると、持っている能力を活かせるのではないでしょうか。今のままだと世にも奇妙な物語のハズレ回みたいになっちゃいます。

 僕も一番最初に書き始めた頃にこういうノリの書いた覚えがあるので気持ちはめっちゃ分かるからぜひ今後も頑張ってください。

 小説は据物斬りじゃなくて、今この瞬間瞬間を生きる読者を仕留める為に振り回す一刀なんすよ!!!!!!

 俺も最初分かんなくてさあそれが!!!!! お互い頑張ろうね!!!!!!


乳:こ、これで日給50万円…ホラーすぎる…。

  僕はホラーに詳しくないのですが、SAW的なジャンルなんですかね。

 人間の頭部がポンポン飛ぶ場面は某スパイ映画みたいに威風堂々を流したくなりました。

 後半の温度差と長台詞の連続で読んでいる方が正気に戻ってしまうので、担当者のメールのやり取りなどで、本来の目的をほのめかしてあげるともっと没入度があがって最高になるかもなと思いました。

 理不尽に襲いかかる暴力を描いた面白い作品。世にも奇妙な物語にありそうっていうのすごくわかります。



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