芦花公園ホラー賞講評

「髪様」なも

　黒人：りぼんに連載されてた「絶叫学級」みたいな雰囲気のホラーです。

　髪様、および主人公の動機がはっきりしているので誰にでも分かりやすく楽しめる作品だと思います。

　ただ、最後の方の髪様と組んだ主人公の暴走のあたりからやや置いてけぼりにされてしまいました。コミカルで親しみやすいキャラクターなのはいいんですが、完全に魔になってしまったあたりから口調や雰囲気を変えて描写するとより怖くなったのではないかと思います。

人外：主人公の描写が一貫していたのが良いと思います。いい感じでクソオンナ。

　それはそれとしてもっと主人公が取り返しのつかない泥沼に丁寧にぶっこまれていく姿とか、もっとえげつない復讐とか、見たかった思いがあります。

　何せ小説は文字なので、言葉にして書かないと伝わらない。

　筋書きは良いと思うんですこれ。

なのでこれくらいのシンプルな筋書きで7000~8000使ってみるととても良いと思います。

　神埼赤珊瑚さんの「キジトラの猫」が良い感じに参考になるとおもいますよ。

　丁寧に丁寧に書いて、この主人公が何処に着地するのかと向き合っていきましょう。

巨乳：長い髪、魔力が宿るとかそういう伝承を元にしたお話かな？

　この作品は、長くてきれいな髪が自慢の主人公に、神様を名乗る存在が話しかけてくるんですね。

　ラブコメチックな世界で繰り広げられる最低な先輩と、自己中心的な女主人公が織りなす神様を自称する存在が良いやつではないお約束を活かした不快指数高めで良い作品でした。

　少し文字数に余裕があるので、先輩との楽しかったエピソードや、徐々に先輩が冷たくなっていくやりとりを書くと感情移入できてもっと怖くなるかもしれないです。

　あと、カクヨムには便利な「」付き以外の段落を字下げしてくれる機能があるので、それを使うと可読性があがって読者に優しいかもなと思いました。

　最後の友達を容赦なく取り込む主人公という方向性はとてもよかったです。