芦花公園ホラー賞講評

「かみのこ」ことぶき屋

　黒人:ことぶき屋さんも初小説、初投稿です、ありがとうございます！

　ワンナイトしてる男女の会話文でストーリーが進行していきます。各話のタイトルにも注目。

　読んでいてことぶき屋さんがかなりホラーの素養がある人なんだなというのが伝わりました。ホラーの中には消費者にもある程度素養がないと受け取れない、かみ砕けない作品というのが存在していて、この作品はまさにそれだと思います。

　私は大変楽しく読んだんですけど、多分「何が起こっているのか分からない」と感じる人もいると思います。

　今回私も自作でそれをやってしまっているので「おまいう」なんですけど、もう少しホラーを普段読まない読者にも寄り添って、会話だけでなく合間になにが起こっているかの描写を盛り込んだ方が良かったかなと思います。

　女の方の最後の一言が効いてました。

人外：この表現形式にせずに普通に書いた方が良かった気がします。

　わざわざこの形式にしなきゃいけない理由がなかったと思うんですよね。

　読みづらいし独自性も出せないしメリットが少ない気がします。

　全体的に分かりにくいです。

巨乳：回想から始まる男女の記述を書き起こしたホラー。

　懐かしいですよねサイババ。

　主人公が遊んでいた汚い子供が、一緒にいる女の人で、冒頭で話していた「無いところから有るものを作ったら神」である部分と関連して神の子としているんですかね？

　主人公が子供から渡されたものが自分の骨だと理解した瞬間を書くと怖さがグッと高くなる気がします。

　＞ああ、あなたは男だからそう思うのよ。私はやっぱり警戒しちゃうなぁ。拉致とか監禁とか。これでも一応女なんで。やだ、笑わないでよ。

　個人的には、この部分の異常者フルスロットルみたいな論理の飛躍が大好きでした。

　不気味で怖い嫌な話でよかったです。