「『女王陛下のご懐妊』 女帝国家の不祥事」こやま ことり

人外:ホラーじゃないじゃん! あの普通にファンタジー書いて別の企画に出してくれませんか!? 話は面白かったので! ていうかこれホラージャンルに入れたせいでなんか勿体ないって! これ読みたかったファンタジー読者居るよ!

 作品としては僕は畑違いなので偉そうなこと言えませんが、このままだと主人公以外のキャラが好感モテないし主人公が可哀想なことになりそうなのでまあオチとしては残念になりそうですが、この世界観で純愛できますよね? やったら高い火力になると思うのですがいかがでしょう? 何故やらないのでしょうか?


巨乳:萌えとかそっち方面特価のこやまさん、とてもこやまさんらしい作品だなと思ったのですが、ホラーかと言われるとちょっとわからないです。

 フェミニズムとか女性有意の世界はホラーとかそんな感じなのでしょうか?

 この設定を下地にした女性向けのラブロマンス小説とかは好きな人は好きそうだなと思います。

 こやまさんはホラー映画も好きでよくタイムラインでもお話している様子を見ているので、僕よりもホラーへの造詣が深いと思うのですが、僕にはちょっとこれからホラー要素を見出すのは難しかったです。

 1万5千字制限の中にこの人数の登場人物と舞台設定を持ってくるのは多分ホラー以外でも厳しそうなので、文字数に合わせた話の規模や舞台設定を持ってきたほうが読者にとっては優しいかな?と思いました。



 黒人:女性優位主義の王国での話ですね。

 少し厳しいことを言います。これはホラーではないと思います。それ以前にストーリーでもないかもしれません。

 これは一般論ですが、読者が読みたいのは著者の主義や信条ではなくストーリーです。今回のこやまさんの作品は信条が先に来ていてストーリーは後回しになっている印象です。設定も穴が多いと思います。

 私のような人間がレコメンドする前にご存知でしょうが、フェミニズムを作品の形に落とし込んだものは多くあります。

 映像作品で言えば「軽い男じゃないのよ(ネットフリックスオリジナル映画)」。あれもミラーリングという手法を使っていましたが、性別によって受ける不当な扱いを逆転させて見せるだけでは終わらず、ラストでは「男女平等運動をしている人たちは果たして差別撤廃が主体なのか、それとも性別に備わった権力を捨てられないだけなのか」という男女共に響くメッセージを残します。

 女権国家小説なら「家畜人ヤプー(天野哲夫)」が有名ですね。奇書と呼ばれ確かに性描写、差別描写が多くメッセージも受け取れないかもしれませんが「女権国家」としての設定はよく練られており違和感はありません。

 両作品とも主義信条性癖が全開でありながら、それでも受け入れられるようメッセージを入れたり、設定を練ったりして「臭み」が抜かれているのです。

 こやまさんは素敵なファンタジーが書ける人なのですから、皆さんに発表して読ませるものにはもう少し臭み抜きをして欲しかったです。


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