「虫の声」金糸雀
黒人:はい、皆さんは虫でーす!
ゴキブリが攻めてくる!でちょっと「テラフォーマーズ」を思い出しました。本作では人類に一切の抵抗の余地もない模様。
虫の描写がリアルで気持ち悪くなりました。産卵の実況とかされたら食事も喉を通らなくなりそう。
一から十まで主人公の妄想なのか、それとも「世界の異常に俺だけ気づいているんだ」状態なのか解釈が分かれますね。
最後に虫がウワーッと攻めてきて絶望エンドみたいなやつは少し安直だと思いました。精神がやられた主人公の割に冷静なので妄想ではなく現実で虫が襲ってきたということならもう少し逃げ惑う人々やゴキブリ以外の虫の描写もはっきりとした方が恐怖度は高まったかなと思います。ちょっとゴキブリがキャラクターっぽくなってしまっているので。
人外:皆さんは虫です。
こちらも着眼点やら始まりやらは良いと思います。
良い意味で生理的嫌悪感に訴えかけてくる良い滑り出しです。
その後の展開も良い。狂気に陥って精神病棟にぶっこまれる主人公。
やばいぞ、このままじゃ何か大変な事が起きる!
……というところで何も出来ずに最後まで行ってしまうので、なんとなく消化不良と言いますか。惜しいと感じてしまうところでありました。全滅するにしても何かもっと話の展開があってから健闘むなしく全滅したほうが面白かったような気がします。惜しい。実に惜しい。
巨乳:パニックホラーとかモンスターホラー的なジャンルなのかな?
文章はとても読みやすかったですし、内容もまとまっていて面白かったです。
読み物としてはとてもおもしろかったのですが、ホラーとしてはパンチ力があと少し足りないかも…と、とても惜しく思いました。
これは僕の好みになってしまうんですが、パニックホラーにするのか、現実と妄想の区別が付かない病に侵された信用のならない語り手によるホラーどちらかの要素にもう少し偏るとホラー感と不穏さのコントロールがしやすくなるかもしれません。
ラストは、主人公が狂っているのか本当に虫がやってくるのかわからない不安にかられる良い結末だったと思います。
ゴキブリの声…あんまり聞きたくないな…と思えるので着眼点は好き
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます