時給六億円の奴隷生活
右乳首市の巨大化。それは右乳首市がおっきくなった事を意味していた。つまり、右乳首市が大きくなったのだ。なぜなら、右乳首市が大きくなったからだ。そして、右乳首市が大きくなったのだった。
総合すると、要は右乳首市は大きくなったのだ。
アメリカ人の入部。そして、経済の成長による街の発展で、右乳首市は今や、胸毛のすぐそこという意味まで成長を遂げていた。
かつて、アメリカ大陸を開拓し、アメリカ合衆国を作ってしまったアメリカ人の血がさわぐ。
空き地の土地は俺たちの国をスローガンに、みるみると左乳首の方向へと進行していった。
しかし、大きくなれば、それだけ内側からの鬱憤というものが溜まってくるものであった。
その辺に関しては街もロックバンドもママさんバレーも同じであった。
その鬱憤の根源は、巨人の毛を運んでいるチチンコ族の方々から上がっていた。
右乳首市がでかくなるという事は、それだけ多くの建物が建つという事であり、さらに、街の中心から離れた場所に巨人の毛を運ばなければならないという事だ。
しかも、たった時給六億円でだ。
街の肥大化は全て、チチンコ族の大工さんたちの負担となって右乳首市を包み込み、そしてストレスとなった。
そして巨人の毛で家を建てすぎて、上から見ると巨人の乳首が真っ黒になってきたという噂もある。「でも、それが好き」っていう人もいた。それが世界の広さである。
という事で、チチンコ族がこれに異議を申し立てに、市役所の市長のところを訪れるのに、それほど時間はかからなかった。
一部では、「また脇の下で生活をしたい」と言い出しているチチンコ族すらいるそうだ。
「それは困る!」
市長はそれを聞いて立ち上がった。今や、チチンコ族はこの街の大切な金づるだ。そうそう、やすやすと街を出て行かせるわけにはいかないのだ。
「じゃあ、アメリカ人の進行を止めてください。と、言ってましたンコ」
と、チチンコ族の酋長が言った。
「それは困る!」
それを聞いて、市長はさらに立ち上がった。「シュピーン!」って言いながら一回、直立でジャンプした。半分ふざけている態度が酋長をイラっとさせた。
市長がこの街で唯一逆らえない男、それが現在、乳首の前線で開発を続けている大統領であった。
そして、もはや大統領を敵に回したら、元アメリカ国民も敵に回すことになる。
この街はすでに事実上、大統領に乗っ取られているのだ。
「なんとか、なだめて仲良くやってくれんかね? 金なら弾むからさ」
市長は酋長にそう言って解決した。金で全てを解決しようとする男、最高の男であった。
「それだけじゃないンコ」
酋長は言った。なんだって?
「実は、チチンコ族の一部が言っているンコ。なんか空を飛んでるチチンコ族を街の人たちが性的な目で見てくるって」
バン!
市長は机を叩いて立ち上がった。なんたる、はしたない! 一生懸命働いているチチンコ族の確かに上半身を裸で飛び回っているが、それを見てエロいことを考えるなど……。
「ぷハハハハハ!」
冷静に考えると笑えてきて、市長は笑ってしまった。70過ぎのババァを誰がそんな目で……。
と、酋長の目を見ると市長を見覚えのある軽蔑の目で見ているのに気付いた。見覚えのある目だ。野良犬を蹴ったのを息子に見られた時に息子がしていた目に似ている。
ゴホン。
と、咳払いをし、市長は話を立て直した。
「ジェンダー問題。この街でも起きてしまったぁ」
それっぽいことを言ってみた。最近までジェンダーを入れ歯の外した人が「仙台」って言ってるのだと思っていた市長。政治家になってお利口になったのだ。
市長は「任せてガッテン」と言って、酋長との話し合いを終えた。
大統領に奪われたお株を取り返すチャンスである。
しかし、あんなチチンコ族の老人を誰が、いやらしい目で見るだろうか? 被害妄想だろ?
調査のため、市長はある作業に取り掛かった。
右乳首市のエロの経典と言われている違法エロサイト「右チクビアンコム」に『チチンコ族』というタグをつけて、その変態を誘き出そうと試みたのだ。法律は違反しているが、神様は禁止してないからオッケーなのだ。
一週間後。
市長は酋長に調査の結果を報告した。
なんと、この一週間で『チチンコ族』で検索をした市民は、たったの「0人」であることが分かったのだ。
「ご安心ください。この街の人々はチチンコ族なんか性の対象は見ていない事がわかりました。つまり、チチンコ族の自意識過剰って事で……」
パァン!
その瞬間、市長の頬に酋長の右手のひらのビンタ、次に左乳の乳ビンタ、そして右乳の乳ビンタが飛んできた。
ぺち。
さらに酋長の体を一回りしてきた左乳が二度目のビンタをかました。痛くはないが市長は一応、カウントに加えた。
「なんですか! いきなり! 4回もなぐるなんて!」
酋長は何も言わず、部屋を後にした。
そして、その日からチチンコ族はストライキを始めてしまいました。
女心のわからない市長のせいでした。
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