激突! シモの世話編
第1話 病気の巨人
巨人が病気になった連絡が世界各地に入った。もちろん、国連にも行った。衛星からの写真を見たお医者さんが「これは盲腸かもしれん」と言った。
「で、巨人はどこにいる?」
偉い人が聞くと、南米にいることがわかった。チリを抱き枕にして眠っているそうだ。
確認すると、チリをまるでお母さんのように抱きしめて、巨人は苦しそうに眠っていた。
「この日ほど、チリが細長くてよかったと思ったことはない」と、チリの大統領は喜びの言葉を述べた。
チリを抱いて眠る巨人は、まるで木を抱きしめて眠るコアラみたいで可愛い。なんて可愛いんだ。お前だけで、ホットミルクが三倍飲めるぞ。
で、世界的にも「巨人をどうする?」という話になった。もちろん、手術をすることに決まる。
執刀は日本が誇るゴッドハンド、財前教授に決まる。助手の看護師は花山さんに決まった。
しかし、問題があった。
巨人がでかすぎるのである。
まず、どこで手術をするかが問題だった。早速、みんなで会議をすることに。
「四国を枕にしろ」
と、アメリカが無理難題を言って来た。
「四国は山が多いから、後頭部がゴツゴツする」と日本は精一杯の抵抗を見せた。
「じゃあ、オーストラリアだ」
手術に枕は必要ないと説得すると、アメリカは「冗談だよ」と折れた。
手術するにも、どこに寝かせるのか?
世界は最初の問題に直面した。
その間、チリ沖にはウンコの島がいっぱいできていた。巨人のウンコだ。
「まさに大便だ」と世界で一億人くらいが思った。千人くらいがネットに書いた。百人くらいが笑った。
「おいおい、モアイ像がウンコを見て、臭くて向きを変えたらしいぜ」
「ちげえねぇ」
そしてゲラゲラ笑う。チリの漁村の人々は、こんなジョークを飛ばして今日も明るく元気に暮らしていた。
南米人の陽気さは我々も見習いたいものだ。
そんなこんなで会議が始まった。
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