サンドスター
No.1
世界のとある場所で獣の耳と尻尾を生やした少女が発見された。先日の隕石が原因と仮定し、その少女を保護、念の為動物園の職員にその身柄を預け観察することにする。
獣としての特性を確認。
その姿、その在り方、ヒトとも獣とも言えないその少女たちに、アニマルガールと仮名しよう。
No.2
アニマルガールとともに、細胞などの形を模したモンスターを確認。
セルリアンと命名。
セルリアンは物や生物の形を、何らかの手段でコピーしたものだと判明した。しかしどれも完璧とは言えず、粗があり、完全な再現までは出来ないものだと考えられる。
No.3
アニマルガールは我々人間に対し友好的な関係を築くことが可能であると推測。従属などといった上下関係ではなく、友人という平等に接することが出来ると思われる。
そこからアニマルガールの改名を希望する。
友人になれる獣。
飼う、飼われるとは違うもう一つの関係性。
言葉が通じ、意思を交わせるからこそ為せるもの。
以上のことから呼び方を次のようにするべきだ。
No.4
フレンズとは明らかに違うアニマルガールが発見された。
手は元の獣のものになり、会話をすることは困難。意思疎通は不可能だと断定。
在り方が獣そのものであることから、その変異したアニマルガールをビーストと命名する。
麻酔銃を用いて捕獲、保護し収容施設に監禁。
手枷と足枷で動きを封じ、経過を確認する。
ビーストの性質は別項を参照すること。
No.5
見つけた。
世界各地を巡り、隕石を研究した結果共通の成分が検出された。
物理法則を歪め、物質を長期間保存させることを可能とし、分断された環境の構築を現実にする未知の物質。
万物をアニマルガール、セルリアンにするのはこの物質の影響だ。
それはまるで、南の島で見た、虹色に輝く星型の砂のようだった。
動物をアニマルガールにする一つの奇跡。
遥か彼方より飛来した、星の海からの贈り物。
私はそのキセキを──、
『
No.6
以上の成分を研究し、利用すれば絶滅した種を完全に復活させることが可能だと思われます。
現にUMAと思われていたツチノコ、日本では姿を消したニホンオオカミのフレンズを確認済みです。
サンドスターの効果がどこまで拡大するかは未知数ですが、いずれはフレンズを集めた動物園のようなものを設立しても良いかもしれません。
No.7
問題発生。
絶滅動物、及びセルリアンについて研究していたカコ博士が先日の襲撃事件により意識不明に陥りました。
原因は不明。
推測ですがセルリアンに輝きを奪われたものだと思われます。輝きを取り戻す方法は判明していませんが、何か異常をきたした場合は報告をお願いします。
No.8
ジャパリパークを巡り、サーバルを模したセルリアン、通称セーバルさんを、パークに招待された方とともに追っています。
フレンズさんと協力し、以後定期的にデータを送信します。
No.9
セルリアンの女王の撃破と同時にカコ博士の意識を取り戻したのを確認。記憶が曖昧なようだが、問題なしと判断する。
No.10
非常事態発生。セルリアンの女王と同一の反応が確認されました。サーバルさんやカラカルさん、セーバルさんとともに行方を捜索した結果、キョウシュウ地方で見失ってしまいました。
データを送信します。
No.11
大変なことになりました。
セルリアンの女王は周囲の輝きを取り込み、復活していたのです。どうやらキョウシュウエリアの火山に向かったようで、四神の皆さんとセーバルさんは作戦があるようで先に向かいました。私たちもすぐに追いかけます。
No.12
到着した時、既に終わった後でした。どうやらセーバルさんたちは自分たちを犠牲にセルリアンの女王を無力化したようです。
No.14
パークのキョウシュウエリアに黒い巨大セルリアンが現れました。生体などについては調査中です。後日纏めますのでご確認ください。
No.─
火山の奥深くに変異したセルリアンを確認。今までの報告書から無力化されたと思われていたセルリアンの女王と推定。
理想を手に入れるためにまず力が必要。しかしセルリアンの力をフレンズが手にするのは不可能だろう。
ならば。
こちらから輝きを与え、パイプを繋いだら……それを更に強い想いで抑えることが出来たなら。或いは、その可能性が現実になるかもしれない。
No.13
ビーストが消えた。
『サンドスターとその影響下にあるジャパリパークの隔離計画について』
先日提示された問題についての解決策は隔離するしかないものと判断。
故に、一切の干渉を停止。
管理システムを軒並み破棄し、いずれは関係資料も全て処分するべきだろう。
既にこちらの領域にまで侵食している生体への撃滅行動を許可。表向きには捕獲という形で処理をする。
人類とフレンズの関係は同列であるなどと
人間の姿をしていても所詮は獣。意思疎通など元より期待するほうがバカバカしい。アレらにそのような知恵は身についていない。そして、仮にあるとすれば更に危惧する問題が出てくる。
獣の能力とヒトの知性。そんなものが合わさった生命体は間違いなく我ら人類の脅威となる。
物理法則を歪め、獣と人間の関係を乱す。それは奇跡ではなく災厄である。
最も有効な手段はこちらの領域を高い『壁』で覆うことだろう。しかし、根源がどこにあるかが分かっている状態であれば、その根源が外に漏れ出さないようにその周囲を覆うほうが賢明だ。
準備が出来次第、あの島へ向かう。
また、もし仮にフレンズが我々の前に再び現れるようであれば、捕獲し処分することとする。
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