侵略

 それは、何の前触れもなく現れた。雲一つない、快晴の日だった。都心中心部の上空に、突如として、円盤の形をした巨大な飛行物体が出現したのだ。そして、その物体はためらいなく、無差別に、攻撃を開始した。血も涙もない攻撃に、想像を絶する規模の被害が出た。

 さらに、円盤の形をした飛行物体から出てきた宇宙人は、あまりにも恐ろしい見た目だった。我々よりも、手と足、目の数が、それぞれ一つずつ多いのだ。不気味という表現が、この宇宙人の見た目を表すために作られたように感じられた。彼らも、無抵抗の市民に対し、無慈悲な攻撃を始めた。

 我々は、大きな恐怖にかられた。しかし、それ以上に大きく、胸の奥から尽きることのない怒りと正義感が沸いてくるのを感じた。なんとしてでも、この悪魔どもを倒さなければならない。我々は、世界中で起こっていた戦争を止め、皆、この恐ろしい宇宙人を倒すために力を合わせた。

 宇宙人は手強かった。我々よりも、性能のいい武器を使っていたからだ。しかし、我々には、怒りというパワーがあった。平和な日常を、理不尽に破壊された怒り。それは、大きな力となり、圧倒的に不利だった戦況をひっくり返すことができた。つまり、侵略してきた宇宙人を皆殺しにしたのだ。

 我々は、勝利したのだ。あの忌々しい宇宙人を倒したのだ。我々は、宇宙人に勝利した喜びをかみしめた。思わず一個の大きな目から嬉し涙を流した同志は、一本の手でその涙を拭いた。

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