ギャンブルの公式
数学者であるその男は、ギャンブルが大好きだった。数学者だったため、ギャンブルには損しかあり得ないことを知っていったが、それでもやっていた。何十回と負けても、たまに大きな勝ちがあるため、やめられないのだった。
ある休日。数学者である男は、ギャンブルをするためカジノに来ていた。そして、ルーレットが回るのを血眼で見ていると、不意に、様々な条件を考慮すれば、高い確率で勝てる公式が導けるのでは、と考えた。そしてもし、それを応用することができれば、必ず勝つことができるのではないか。これだ。男は、賭け事をしている時にサンドイッチを思いついたサンドイッチ伯爵を超えると確信した。
その日から男は、ギャンブルで必ず勝つことができる公式を見つけるため、自宅に引きこもってひたすら計算をし続けた。単純な確率だけでなく、物理学、心理学、人数の関係など、様々なものを組み合わせていった。
一年後。ついにその公式は完成した。それは、こういうものだった。
一+一=一。つまり、ギャンブルで儲けることは不可能であり、馬鹿げているということ。それを証明するように、一年間ギャンブルをしなかった男の貯金は、かつてないほどたまっていたのであった。
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