戦争ゲーム

 そのゲームは、若者を中心に飛ぶように売れた。これ以上ないほど発達したVR機器は、現実と区別がまったくつかないほど、プレイヤーをゲームの世界に没入させた。そこでプレイヤーたちは様々な武器を手に取り、敵プレイヤーと交戦する。マシンガン、ロケットを打ちまくり、敵プレイヤーをどんどん殺す。自分も敵プレイヤーに何度も殺されるが、何度も生き返る。そして、また銃弾が行き交う戦場の真っ只中に戻って行くのだ。


 ある日。そのゲームの運営からこんなメッセージが届いた。

『新モードを皆でプレイしよう。会場は……』

 そのメッセージを受け取った沢山の人は、その会場に集まった。そして、本物の武器を渡され、本物の戦場へと送られていった。彼らはそんなことを知らず、リアルな画面の中だと思い込む。輸送トラックに揺られる彼らの表情は、誰もが楽しそうな顔をしていた。

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