季節の変わり目
季節の変わり目。すっかり寒くなったある日の朝。ひとりの男の子が咳き込んでいた。その様子を見た、男の子の母親は優しく聞く。
「具合でも悪いの」
「うん。喉が痛くて、頭もだるいんだ」
「それは大変ね。熱を測って見なさい」
母親は男の子に熱を測らせたが、熱はなかった。しかし、男の子の咳き込む様子を見て、学校を休ませることにした。
「今日は寝てなさい」
「うん」
次の日。男の子はまだ咳き込んでいた。
「1日寝ても治らなかったのね。病院に行こうか」
男の子は注射が嫌なのか、病院に行くのを嫌がったが、母親は無理やり連れていった。
病院の一室で、母親は診断を終えた医者に心配そうに尋ねる。
「先生。息子の病気はどんなものですか」
「きっと、この時期によく流行る、あの病気ですな」
「一体なんです」
医者は一呼吸おき、言った。
「仮病です」
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