百人に一人

 その青年が本屋で雑誌を立ち読みしていると、偶然こんな記事を見つけた。

『サイコパスは百人に一人』

 青年はそれを見て驚いた。百人に一人って結構いるじゃないか。しかし、本当なのか。青年は好奇心に引っ張られ、道行く人、百人に質問をし、本当に百人に一人の割合でサイコパスがいるのか確かめることにした。

 青年はさっそく街に出て、歩く人に尋ねる。

「あなたは人を騙すことに罪悪感を感じますか」

「いいえ、全く」

 なんだって。いきなりサイコパスを見つけてしまった。まさか一発目で見つけてしまうとは。そう思った青年だったが、驚くべきことに、二人目、三人目も同様だった。青年は困惑しながらも、道行く人に質問を続ける……。


 青年は百人に質問をし終えた。結果は、なんと百人全員サイコパスだった。青年はその事実を知り、呟いた。

「どうやらこの街には、百人に一人が百人集まってしまったらしい」

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