それでもデビューできない場合

「作家になりたい!」

「デビューできるまで絶対に諦めないぞ!」

 自分はそう考えておりますが、たいていの投稿者さんは、そういう意気込みだと思います。

 小説を書くのはそもそも大変な行為ですし、落選時の精神ダメージも相当ですから、中途半端な気持ちでは長続きしませんよね。後の項で書きますが、中には精神ダメージだけでなく、身体を壊してしまうケースも存在します。かくいう自分も、深刻な胃痛に苦しんだ時期がありました。


 何があっても絶対に受賞してやる!

 その気持ちが原動力になっているうちは、ただ単純に前へ突き進めばいいでしょう。

 しかし中には、その感情があまりにも強すぎて、心身を病んでしまうケースが存在します。長らく小説投稿を続けている方であれば、心当たりがあるのではないでしょうか。小説投稿も大事ですが、それよりもっと大事なのは、本人の心身の健康です。

 だからこそ、そういう状態の投稿者さんを見ると、「少し投稿から距離を置いた方がいいのでは……?」と考えてしまったり。長年投稿ブログをやっている関係上、たまに他の投稿者さんからその手の相談を受ける時があるのですが、明らかにやめた方がいいと感じる場合は素直にそう助言しています。本当は応援すべきかもしれませんが、それが原因で取り返しのつかない事態になってしまったら、その方が遥かに悲しいですからね。


 夢は時として呪いにもなります。

 他の投稿者さんに言われた言葉ですが、これは真実なのではないでしょうか。夢が目標になってプラスに働く場合もありますが、逆に呪縛になってしまえば、それは本人にとってマイナスでしかありません。言葉にすると単純ですが、実際の心は常に変化しているので、「夢」と「呪い」を明確に見極めるのは困難です。

 だからというわけではないですが、投稿に対しても、気楽に構えたらいいんじゃないかと。「自分には小説投稿だけしかない」ではなく、「自分は色々できるけど小説投稿をやっているんだ」と考えた方が、肩の力が抜けて結局は長続きするように思うのです。あまりに強すぎる思い込みは、同時に危険でもありますからね。この章には落選対処法を書いていますが、そもそも投稿と心の距離を置けば、落選のダメージは確実に軽減されます。

 以上、なんだか否定的に書きましたが、もちろん夢は基本的には素晴らしいもの。どうでもいいと考えながら小説投稿するよりは、強い意気込みを持って挑戦した方がいいですよね。そうやって、夢の持つプラスの側面はおおいに活用しつつ、呪いのマイナス・エネルギーに飲み込まれないよう注意したいところです。

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