ヤケ酒で胃を壊してしまった場合

 あれはそう、小説投稿を始めて三度目の春。

 度重なる落選をヤケ酒でごまかしていたせいか、とうとう本格的に胃を壊し、総合病院で精密検査を受ける日がやって来ました。年に一度や二度ならまだしも、落選する回数があまりにもハイペースだったので、ヤケ酒を受け止める胃にも多大な負担がかかったのです。

 検査の方法は胃カメラでした。カメラを飲んで胃の中を見ようだなんて、最初に思い立った人間の神経を疑います。いえ、もちろん医学的には偉大な技術ですが、それくらい胃カメラという検査には抵抗がありました。しかも胃カメラの管って、意外と太いですからね。自力で飲み込むのは難儀でした。

 その胃カメラですが、検査の結果が異常なしだったため、今度は造影CTスキャンを受ける羽目に。それでも異常は見つからず、仕方なく薬を飲んで経過観察しているうちに、激痛からは回復しました。それ以降ヤケ酒はやめましたが、あの突発的な苦しみは何だったのかと、今でも不思議に思うほどです。


 それからというもの、ヤケ酒・ヤケ食いはきっぱりと封印し、落選する度にしっかりと反省する習慣ができました。

「落選してショックを受けた!」

「具体的には何がショックなんだろう?」

「このショックを癒すために、一体どうすればいいんだろう?」

 その過程で考えたあれこれを、本章「落選した! その時どうする?」に載せたわけですが、何か少しでもお役に立つ部分があったなら幸いです。


 最初の話へもう一度戻りますが、落選時のヤケ酒は、身体に悪いだけではありません。

 落選のショックを酒で隠しても、それは結局のところ逃げているだけで、根本的な解決にはならないのです。その証拠に、酔いが醒めたらまた落ち込み、もっとたくさん酒を飲む……という悪循環がありました。これでは永遠に堂々巡りです。

 落選はできることなら経験したくないものですが、ショックから逃げるのではなく、受け入れるのが復活への近道ではないでしょうか。そもそも繰り返し書いている通り、落選して落ち込むのは、本気で取り組んでいる何よりの証拠。そういう自分を誇りに思い、未熟な部分を思い切って受け入れた時、人としても投稿者としても成長できるような気がします。

 以上、落選時の行動について長々と語りました。ひたすら精神論について書いてきましたが、続く第五章では落選から得た具体的な創作上の教訓を、もう少し気楽に語ってみようと思います。

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