年齢で焦ってしまう場合

 新人賞の締切は、基本的に年一度。

 中には複数の締切を設けている珍しい賞もありますが、そういう例外を除いた場合、狙った賞で受賞するチャンスは年一回しかありません。だからこそ落選すると、「もう○○歳なのに後がない」という、言いようのない焦りを感じてしまいます。

 正直なところ、自分も以前はそうでした。受賞者の年齢はほとんどの賞で公開されますし、中にはそれどころか、通過リストにまで掲載される場合もあります。MFJなどが代表例と言えますが、それを見ると、若い投稿者さんが多いのなんの。そういうわけで、小説投稿を始めた当初は、年齢に大きなコンプレックスを感じていました。


 その劣等感をどう扱ったか?

 もちろんブログやチャットなどで、積極的に自虐ネタとして使いました。

「もう27歳なのにまた落選したwww」

「このままじゃ30歳になっちゃうよwww」

 しかしある時、年齢の自虐ネタに対し、こんなメールが届いたのです。

「ずいぶん年齢を気にしていらっしゃるようですが、私に言わせれば常木さんは充分に若いですよ?」

 年上の投稿者さんからのコメントです。

 確かにその方から見れば、自分は一回り年下でした。にも関わらず、二十代後半で「年齢ヤバイwww」と騒ぎ立てる自分は、思慮が足りなかったと深く反省しております。ずいぶん前の話なので、今は三十代ですけどね。


 結局何が言いたいかというと、年齢の捉え方もそこから発生する焦りも、主観の問題でしかありません。

 たとえ二十代前半(客観的に見て充分に若い)でも、年齢を気にする投稿者さんは存在しますし、逆に三十代で気にしていない投稿者さんも存在します。つまりこれは、実年齢の問題というよりも、個人個人の気持ちの問題ではないでしょうか。以前の自分は落選する度にひどく焦っていましたが、その焦りを生み出していた根本的な原因は、他でもない自分自身の心構えだったというわけです。

「気持ち次第でどうにでもなる」

「それなら自分の年齢を前向きに捉えた方がいいんじゃないか」

 今の自分はそのように考えておりますし、年齢を気にしなくなってから、投稿生活がずいぶんラクになりました。

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