はじめての落選

 何度もしつこく書きますが、初投稿の小説が電撃大賞で一次通過した後、自分は有頂天になりました。

 そして迎えた、8月の二次発表。一次発表は不意打ちでしたが、その頃にはすでに更新チェックが日課だったので、祭りの準備はバッチリです。巨大掲示板を頻繁に覗いては、釣り(匿名で書き込まれるニセの通過情報)を楽しんで、公式サイトの更新を待ちました。「釣りを楽しんだ」と言っても、釣られて右往左往するのを楽しんだわけであって、自分自身は釣り師ではありません。

 しばらくして、公式サイトが更新されました。その時もまだCtrl+Fを知らず、通過リストを丁寧に探しましたが、常木らくだの名前はありません。そう、落選です。この事実をどのように受け入れたかというと、実のところ、最初はまったく受け入れませんでした。

「自分の名前が載ってないなんて、この通過リストは間違いだわ~」

 本気でそう考えたのです。

 掲示板の釣り情報ならともかく、公式サイトを見てそう感じたなんて、当時の自分はかなり重症でした。いや、リストはおそらく本物でしょう。しかしながら、発表漏れだと固く信じていたのです。思い込みって怖いですね。初投稿の小説が受賞してアニメ化、そんな妄想を本気で抱いていたなんて、身の程知らずもいいところです。


 それから約一か月、半信半疑のまま微妙なテンションで過ごしましたが、とうとう三次&四次結果が更新されて発表漏れの可能性は消滅しました。

 その後も小説投稿は続けましたが、9月のMFJで二作品が一次落ち、10月のスーパーダッシュも一次落ち。三作連続で一次落ちするなんて、今となっては完全に平常運転ですが、当時はあまりにもショックでした。夜も充分に眠れないし、食事も喉を通りません。

「次の作品が一次落ちしたら、小説投稿は完全にやめよう」

 しかしながら、そう決意して臨んだGA大賞で、幸か不幸か一次通過してしまいました。

 名前と作品名を見つけた瞬間アニメ化を確信した自分は、すぐさまその作品の続編を執筆するという意味不明な行動に出た挙げ句、「1」と「2」をあわせて翌年の電撃大賞へ送りつけるという暴挙に。結論を先に述べると、もちろん受賞しませんでしたし、アニメ化なんて言わずもがな遠い夢です。我ながら迷走っぷりが半端ないですが、これだけ激しく勘違いした投稿者なら、落選回数135回という経歴も頷けることでしょう。


 以上、自己紹介の意味も兼ねて、自分自身の身の上を語りました。

 続く第二章では、海外投稿の苦労話を披露するので、引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。

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