選評の海外発送

 最近は評価シートを貰える賞が多いですが、選評の海外発送については、出版社やレーベルによって対応が違います。

 自分の知る限り、海外発送にもっとも早く対応していた賞は、スーパーダッシュ小説新人賞(現・集英社ライトノベル新人賞)。応募要項に、「海外の場合はそれに応じた形式に合わせ規定額の切手を貼付してください」という一文が載せてあります。最近は同じ集英社主催の、コバルトノベル大賞にも、この一文が加わりました。ただしこれは親切かつレアなケースで、大半の賞は海外発送の可否を明記していないため、個別に問い合わせるしかない状況です。

 それはそうと、海外の郵便事情(国にもよりますが)は、日本に比べて決していいとは呼べません。出版社側が海外発送に対応していても、輸送中の事故などで、受け取れない可能性はおおいにあります。そういう事態を避けるため、当時シンガポール在住だった自分は、住所欄に大阪の実家の住所を書くことを習慣にしておりました。

 非常に不名誉な話ではありますが、その頃の大阪は、ひったくり件数日本一の都道府県。その頃というか、現在もそうです。とはいえ、配送中の選評をひったくる暴漢は、いくら大阪でもさすがに存在しないでしょう。たった今、敗走中の選評という誤変換が出ましたが、あながち間違っていないところが哀愁を誘います。

 とにかく、


〈大阪に届くメリット〉

・ほぼ確実に届く

・海外発送不可の賞でも対応してもらえる

・国内住所の方が都道府県の公表される賞で目立たない


〈大阪に届くデメリット〉

・小説投稿が家族バレする

・実家から海外へ送ってもらうのに時間がかかる


 特に家族バレは苦痛でしたが、評価シートを紛失する方がもっと苦痛なので、このスタイルを貫きました。

 今は日本へ帰ってきたので、「評価シートよ、いつでも来い!」状態なのですが、いつの間にかウェブ応募が主流になってしまい、選評はメールで届くのが常識に。

 あの当時からメールだったら、海外発送の苦労も最初から存在しなかったのに、世の中うまくいかないものです。

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