文章が書けなくなった場合

 ある日突然、文章が書けなくなる。

 平常時でも普通によく起こる出来事ですが、新人賞で落選して落ち込んでしまった時は、特にそうなってしまう確率が高いものです。スランプなどと表現すると大袈裟ですが、文章が書けなくなった経験は、7年の投稿生活で自分も多々ありました。

 ごく当たり前の意見かもしれませんが、そういう時は気分を変えて、インプットに励むのがいいと思います。映画を見るもよし、マンガを読むもよし、ゲームをプレイするもよし。皆様も経験があると思いますが、面白い作品に出会うと、創作意欲が刺激されますからね。まとまった時間が取れないなら、周囲にいる人と雑談を交わすだけでも、机の前でうんうん唸っているよりは有効でしょう。


 創作物に触れたり、人と会話をしたりすると、感覚が刺激されます。

 ひとたび感覚が刺激されると、それを伝えたいという衝動が生まれ、それが創作意欲に繋がります。

「こんな経験をして、こんなに嬉しかった」

「こんな経験をして、こんなに悲しかった」

「この気持ちを伝えたい、知って欲しい、誰かと共有してみたい」

 心の底からそう感じた瞬間、文章を書きたい気持ちが、自然と芽生えてくるのです。

 逆の言い方をすると、感情が少しも動いていない時は、心の中に伝えたいものが何もないので、だから文章が書けないのだと思います。落選して落ち込んでいる瞬間は、心の中がカラッポの状態なので、特にそうなる傾向が強いわけです。


 それゆえ実生活で色々な経験を積み、たくさん感動しておくことは、小説家を目指す上で大切ですよね。

 確かに小説はフィクションですが、そこに詰まっている喜怒哀楽は本物で、だからこそ涙や笑いを誘います。逆に言うと、作中の喜怒哀楽まで嘘になってしまうと、「なんかこの話、薄っぺらいな~」という印象になりかねません。それが原因で落選した経験もありますし、評価シートでも酸っぱく指摘されました。何度も繰り返しアピールしますが、そんな失敗をしないためにも、感動を知っておくのは重要です。どれだけ語彙が豊富な人でも、そもそも本人が知らない心の動きは、絶対に表現できませんからね。


【結論】

・スランプに効く特効薬は、実生活における感動だ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る