概要
奇妙なカラスとの交流を始める中で、高校一年生の瑞原直斗は『世界の秘密』に触れて行くことになる。
カラスが一声鳴くことで、人間の精神を自由に操ることができる。直斗はそんなカラスの力の大きさに危惧を覚える。
―――そして、不安は現実になった。
『アナタは、ニンゲンのダイヒョウにえらばれました』
カラスは直斗に対してそう告げ、これから自分たちは『人間を管理』すると口にし始める。
カラスだけでなく、多くの動物たちが人間の精神を自由に操る力を持っていることがわかる。そして『一つの町』をモデルケースとし、人類を侵略するにはどうすればいいかと試行錯誤を繰り返していることを知る。
同じく『人類の代表』に選ばれた坂上千晶と
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!絶望の歓喜と救済の恐怖、そして最良の結末
怖いという感情は、身の危険に対する防衛本能ですが、もう一つ「明らかでない」という不確かな現象に対しても想起されます。
不明とは、突き詰めれば危機意識の表れではありますが、現代社会に於いて、おそらくほとんどの危機回避シミュレートは存在しているのではないでしょうか。
フグの毒も、落雷時の対処、横断歩道を歩いている際に赤信号で爆走してくるトラック。
どうすればいいか、みんながそれぞれに対処法を持っていることと思います。
また、不明の代名詞でもある幽霊に至っても、どんな怪異に触れたらどうすればいい、みたいな対処手段は確立されていて、昨今では口裂け女やトイレの花子さんによる犠牲者も減少の一途をたどって…続きを読む - ★★★ Excellent!!!いくつもの伏線が散りばめられたホラー×ミステリー!
人類の手には負えないような圧倒的な力を持った動物達。人の意識を操る力を持った彼らは、「人間を管理」すると宣言した。
彼らは、人間が思いつくような戦い方では絶対に倒せない。人類は敗北した状態から物語は始まります。
世界はいつも通りに進んでいるのに、限られた一部の人間だけがこの恐ろしい事実を知っている。モデルケースにされた町に連れてこられた瑞原直斗は、動物達に対してどう動けばいいのかと葛藤を続けます。
なぜ彼らは人を操る力を持っていて、どうして管理することに決めたのか?
怪異として描かれる動物達はとても不気味で、絶望感が凄まじいです。
でも真相が気になり、ホラーが苦手な方でも…続きを読む - ★★★ Excellent!!!人を自由に操れたら何をしますか? 何をするかで、人類の未来が変わるかも
『アナタは、ニンゲンのダイヒョウにえらばれました』と奇妙なカラスに言われて、他人を自由に操れたら、あなたは何をしますか?
これまでいじめてきた奴に復讐できます。
気に食わない奴をひどい目に合わせることもできます。
人に変なことをさせて、面白がることもできます。
ただしそれは、アナタの行動によって人間というものを観察・研究し、『人間を管理』するためのガイドラインを定めるための、カラスの一時的な協力なのです。
人間の精神を自由に操ることができるカラス。
そのカラスが、ピックアップした人間の望みをかなえてやると同時に、『人間を管理』するための方法を学んでいくさまは、ぞっとします。…続きを読む