絶望の果てに辿り着く場所

不気味で不穏で絶望的な状況であがき続ける人の物語でした。

何をやっても事態が好転するようには思えず、可能な限り傷を小さく終わらせる敗戦処理の物語のように思っていました。しかし、それで終わらないために救済を求め続ける物語でした。

丁寧に張り巡らされた伏線によってあっと驚かされるとともに、それが単に意外性を出すためのものではなく物語としての説得力を増すものとなっており、構成の巧みさを感じました。

多くの方に是非読んでいただきたい作品です。

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