人間なんて大嫌いだと言い切るのりおが、凛央さんに拾われて少し態度を崩していくのがたまりません。顔に絵の具を塗られて、怒っているのに笑ってしまうところで、距離が縮まった気がしました。「ここに置いてもらえるのだろうか」と不安になる場面は、強がっているだけの子どもなんだと分かって胸が痛いです。最後、初めてまともなご飯を食べて泣いてしまうのはずるいです。凛央さん、そのまま腹いっぱい食わせてやってください。
これは主人公とヒロインと1対1ラブコメです。まず一人称視点のため、主人公中心で物語が展開していきますが、これがまたエグいほどの表現レベルなので一気に世界観へ没入してしまいます。まるで自分が主人公になったかのようなそれ。さらにヒロイン!これまた特徴のあるお姉さん。主人公視点のはずなのに、ヒロインの気持ちさえも伝わってくるほど。これは作者様の高度な文章力がなせる技ですな。ほんと感服しました。
高校生とは思えないしっかりした文体で、細かなギミックや主人公に寄り添った丁寧な文体。流し読みでは気付けない細かな違和感は読み進める事にそれがスパイスであり隠し味だったと気付く。それでいて10代特有の勢いがある文体なのに、しっかりそれを制御できるだけの技量がすでにあって尊敬に値するものを感じる。
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