第40話

 交易都市ナバーラから現れるアンデットモンスターは、元は人だっただろうアンデットモンスターばかりが俺に襲い掛かって来た。


 アンデットモンスターの中には飼われていたのだろうペットの犬や猫に馬、他にも虫や鼠と言った生き物もアンデットモンスターとして向かって来ている。


 そんなアンデットモンスターを魔力ブレスの手甲から放つ聖気ブレスが一掃する。例えレベル3以上でもアンデットモンスターが出てくる入り口が朽ちた門からしか出て来ないため、今のところは何も問題なくアンデットモンスターを倒せていた。


 「ナバーラの中央から瘴気が押し寄せてるな。中央に瘴気に関係するアンデットか魔導具があるのか?」


 『その可能性が高いわ。それに瘴気を浄化してもすぐに瘴気が押し寄せるなんて普通じゃない!』


 これはかなり危険な場所だ。これから交易都市ナバーラの中に入ろうと思うのだが止めたくなる。


 救世ポイントで購入した魔力回復薬を飲み干してからすぐに魔力を聖気に変換して聖気ブレスを放ってアンデットモンスターを倒していく。


 今の俺だとレベル1のアンデットモンスターだと100は倒さないと経験値を得られない。


 襲って来ているアンデットモンスターの多くはレベル1とレベル2のアンデットモンスターばかりだ。


 それでもレベル3や4のアンデットモンスターをそれなりに見かけるくらいに交易都市ナバーラひヤバい場所である。


 アンデットモンスターのレベル1や2が10体居れば、その中にレベル3や4が1体混ざっているくらいに本当にヤバい。


 さっきからどんどんと数えられないくらいに門から出て来ているアンデットモンスターを聖気ブレスで浄化しているのだが、このままだと魔導具の魔力を使うことになってしまうだろう。


 それから太陽が傾き始めるまで聖気ブレスを使うことになり、身に着けている魔導具も魔導具のスキル効果を使う分以外の魔力はすべて聖気へと変換して聖気ブレスに使ってしまった。


 そんな戦いもアンデットモンスターが門の外から出て来なくなり、急いで俺は門の周りの魔石やドロップアイテムを回収できるだけ回収してから、俺は交易都市ナバーラからダッシュで離れた場所で聖なる結界を張って休憩に入る。


 「なんだよ、あの量は。なあ、まだナバーラの中にアンデットが居ると思うか?」


 『ナバーラは交易都市として栄えていたわ。それを考えるとまだまだ居るでしょうね。門から出て来たアンデットの中に明らかに女子供のアンデットも居たから大変よ。』


 交易都市ナバーラの住民たちが丸ごとアンデットモンスターになっている可能性があるのか。


 交易都市ナバーラは外側の石壁を見ただけだが大きな都市だ。そんなナバーラに住んでいた住民たちの人数が一体どれくらい居るのか分からない。


 本当にものすごい数のアンデットモンスターたちとこれから俺は戦うことになるのだろう。


 万単位のアンデットモンスターに攻撃されても聖なる結界が保てるのか不安に感じるから、俺はショップでアンデットモンスターを倒して得た救世ポイントで魔力回復薬を購入して飲んでいく。


 それで回復した魔力はすべて消費してしまった魔導具の魔力を補充するのに使用し、それですべての魔導具の魔力の回復が終われば聖なる結界の強化に魔力を聖気に変換して使って行った。


 「これで大丈夫だと思うか?」


 『分からないわね。まだ夜にはなっていないのだから、今のうちに罠でも張って置けば良いんじゃない?』


 「それもそうだな。」


 魔力を補充することでその魔力を使用して発動するタイプの罠を購入して、罠に補充するのは魔力ではなく聖気に変えてから聖なる結界の周りに設置していく。


 これでアンデットモンスターが大量に集まって来た時に罠を発動して一気にアンデットモンスターを倒して行こうと思う。

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