セイヴァーオンライン

第24話

　セイヴァーオンラインを起動した俺は何もない空間で画面を操作して、アンデットオブアナザーワールドを選択する。

　「まだ他の世界は流石にないか。昨日始まったばかりだし。」

　選択可能なのがアンデットオブアナザーワールドしかなかったと、そんなことを思いながら転移が開始された。

　そうして次に目に映った光景は大量のアンデットモンスターが群がって聖なる結界に向かって攻撃をしている場面だった。

　「うわっ、こんなにいるよ。」

　『……確認した限り4レベル以上のアンデットは確認出来なかったわ。』

　エリーゼの報告に安堵する。流石に俺だけでレベル4のアンデットモンスターを倒せる聖気の弾丸を用意するのは出来ないからだ。

　幸いレベル3のアンデットモンスターしかいないのなら、俺が自分で用意できる聖気の弾丸でも充分に倒すことが出来る。

　それにしてもゲーム時間で2日も経っているからこんなに集まってしまったのだろうか？もし、アンデットモンスターを操る何かがいたらと思うと警戒した方が良いだろう。

　「倒していくか。」

　魔力操作に4つ分の魔力を魔力感知に２つ分の魔力を常時使用すると聖なる腕輪オルゴーの魔力を使って聖気を作り出した。

　そうして作り出した聖気を魔力銃の弾丸に込めた。そして、レベル3のアンデットモンスターであるスカルビーストを特に周りにアンデットモンスターが多いスカルビーストを狙って引き金を引く。

　纏う瘴気を貫いた聖気の弾丸はスカルビーストの頭蓋骨を貫通すると、頭蓋骨内部で爆発する前に更に頭蓋骨を貫通してから爆発を起こした。

　スカルビーストやスカルビーストの周囲のアンデットモンスターを巻き込んで聖気の爆発していく。

　粒子状の聖気が辺りに散らばれば、聖気に触れたアンデットモンスターは次々に身体を浄化されて消滅する。

　特に至近距離で浴びたスカルビーストは頭蓋骨から上半身に掛けて浄化されて消滅した結果、下半身の骨のほんの一部を残して消滅した。

　たった1度の一撃で20近いアンデットモンスターを倒した俺は続けてもう一度オルゴーの魔力を使って聖気を作り出し引き金を引いた。

　「これで集まったアンデットも結構倒せたな。」

　『そうね。でもまだまだよ。これからも精進しなさい。』

　「分かってるよ。使い熟してるって訳じゃないからな。」

　2度の聖気を使った攻撃で聖なる結界に集まって来ていたアンデットモンスターの半分を倒し、残りのアンデットモンスターのほとんども戦えるような者はいない。

　そんな聖気の爆発で起きた浄化で弱ったアンデットモンスターの中でもレベルが1〜2を狙って攻撃していく。

　残っている俺の魔力も使って16発の魔力弾で残りのアンデットモンスターを倒していったが、流石にそれだけでは残りのアンデットモンスターを倒すことは出来なかった。

　俺と聖なる腕輪オルゴーの魔力が回復するまでの間、俺はエリーゼと話しながら一緒に救世ポイントが使えるショップを眺めて過ごす。

　どうやら俺には分からなかったがエリーゼにはショップに売られている希少素材が分かったからか凄い驚いていただけじゃなく、欲しい欲しいと騒いでいたほどだ。

　生前は生産スキルを多く持っていたこともあり、こう言う希少な素材や装備品に魔導具を見れば興奮してしまうらしい。

　少し時間が経って落ち着いたエリーゼは恥ずかしそうにした声で謝ってきた。

　それから俺の魔力が回復するとすぐに魔力銃を使って弱ったアンデットモンスターを倒し、聖なる腕輪オルゴーの魔力が回復すればまだ遠くにいるアンデットモンスターが集まっている場所に聖気の弾丸を打ち込んで爆発させていく。

　それを繰り返し行なって聖なる結界の周囲は聖気に寄る浄化でアンデットモンスターが近寄り辛い場所へと変わると、最後に聖なる結界の耐久力を修復してこの日は夜になる。