第25話
「暗くなって来たし、夕食にするか。」
『またショップで買った物を食べるのかしら?あれ、美味しくないのもあるから選んで欲しいのだけど。』
「まあハズレもあったからな。でも今日は違うぞ。オルゴーに入っているのを食べる予定だ。ほら、これだこれ。」
聖なる腕輪オルゴーから取り出したのは現実世界で収納した果物たちだ。もう購入してから日にちが過ぎて今日明日には食べないと腐ってしまうが、オルゴーの中に収納したこの果物をアンデットオブアナザーワールドの世界で食べ切ろうと思ったのだ。
『あっちの世界の果物なのね。見たことない見た目をしているわ。』
「これはビワ。少し酸味のある甘い果物だよ。」
ビワの薄い皮を剥いて中央にある種を気にしながら一口食べる。
『美味しいわね。アカメ、もっと味わいたいわ!』
「分かった。じゃあ食べていくよ。」
エリーゼも気に入ったようなので、俺は30個近くあるビワを休まずに食べ続ける。その間にも聖なる結界の外では日が沈んで行き、辺りは段々と暗くなっていくのだった。
「ふぅ、食った食った。」
『まだ残っているけどそれはどうするの?』
「小腹が空いたらか、明日の朝食にでもするよ。それよりも集まって来ているな。」
『そうね。鑑定の結果を出しておくわ。』
そうして明かりは星や月の明かりしかなくなった頃に、聖なる結界の周りにはゾンビやスケルトン以外のアンデットモンスターも現れ始めていた。
そして現れたアンデットモンスターの鑑定をしたエリーゼが鑑定の結果を俺の視界に出してくれる。
ゴースト
レベル1〜2
ビーストゴースト
レベル1〜2
ファントム
3〜4
ビーストファントム
3〜4
この4種類のアンデットモンスターが夜にしか現れないモンスターだ。だが、このアンデットモンスターの特徴として聖気が他のアンデットモンスターよりも特に効果があるのが特徴だ。
「日が出ている間に倒していたからゾンビやスケルトン系のアンデットの数はゴーレム系よりは減ってるな。」
『夜の狩りを頑張って行きましょうか。』
「ああ!」
聖なる腕輪オルゴーの魔力を使って作り出した聖気を弾丸に変えてレベル4のファントムを狙って引き金を引いた。
夜だからなのか、それともゴースト系のアンデットモンスターだからなのかは分からないが、濃い瘴気を纏っているファントムに聖気の弾丸は命中する。
「聖気の威力が落ちてるな。」
『それはそうよ。ファントムの瘴気は濃いもの。その分だけ命中するまでに消耗する聖気も増えるわ。』
それが原因なのか。これが魔力ならもっと削られて命中したんだろうな。下手したら、ファントムにダメージも与えられなかったかも知れない。
ファントムやビーストファントムに出会う前に聖なる腕輪オルゴーを手に入れたのは幸いだった。
もちろん、他のスカルビーストやロトンビーストもそうだけど。
エリーゼと話しながらも聖気を聖なる腕輪オルゴーの魔力を使用して作り出すと、もう1体のファントムを狙って聖気の弾丸を放ち、再び聖気が爆発に寄って広がって周囲のアンデットモンスターにダメージを与えながら倒していく。
そして聖なる腕輪オルゴーの魔力がなくなれば、俺自身の魔力と残っている魔力弾を使ってレベル1〜2のアンデットモンスターで弱っているアンデットモンスターを狙って倒していった。
「まだ集まって来てるな。」
『夜の間は活発にアンデットは活動するもの。魔力が回復するまでゆっくりして置きましょう。』
夜の間でも活動することが出来るように聖なる腕輪オルゴーに現実世界で畑仕事の際に入れて置いた薪に使えそうな木々にチャッ○マンで火を付けて焚き火をする。
焚き火の火を見ながらエリーゼと話して時間を潰し、魔力が回復すればアンデットモンスターを倒していく。
それを睡眠を取る時間になるまでの間、俺は繰り返し行なっていくのだった。
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