第57話
スラム街の入り口近くで聖気ブレスを浴びせ続けてアンデットモンスターの群れを倒していたが、そのアンデットモンスターがスラム街の奥地から現れなくなった。
「出し切ったのか?」
『それはないわよ。倒したって言っても300くらいだもの。まだ奥に進めば居るわよ。』
「それもそうか。」
300と言えばかなりの数に思えて来るが、その内訳はレベル1やレベル2が大半だった。
まだレベル3以上のアンデットモンスターがスラム街の奥地にはいる可能性が高いはずだ。
俺自身もかなりの魔力を消費している為、魔法薬を服用してからスラム街の奥地を目指して進んでいく。
進んでいると突然物陰から現れるアンデットモンスターに向けて反射的に銃口を向けて引き金を引いた。
反射的に引き金を引いたせいで狙いを定められていなかったが、それでも飛び出して来た子供サイズのスケルトン系のアンデットモンスターの胸部に聖気の弾丸が命中する。
地面に倒れたスケルトン系のアンデットモンスターにトドメを刺す為に、銃口を頭蓋骨に狙いを定めて聖気の弾丸を放った。
頭蓋骨が聖気の弾丸に寄って浄化されて弾け飛ぶのを確認した俺は聖なる腕輪オルゴーの中に収納すると、まだまだスラム街の探索を行なっていく。
「あのアンデットたちの強さは分かるか?」
『レベル2しかいないわね。珍しい。』
視認可能な範囲で15体。そんなアンデットモンスターが全員同じ2レベルなんて偶然があるのか疑わしいが、まずはいつも通りに瘴気を浄化していくか。
聖気を魔力ブレスの手甲に送り込んで聖気ブレスを放つ為にアンデットモンスターたちの前に出た。
物陰から現れた俺の生命力にでも反応したのか、アンデットモンスターたちは一斉に振り向いてこちらに向かって来る。
「隠れてるアンデットは居ないみたいだな。」
周りを見渡しながら迫るアンデットモンスターに魔力ブレスの手甲を向けて観察する。
他にこの辺りにアンデットモンスターは居ないと判断した俺は迫り来るアンデットモンスターに向かって聖気ブレスを浴びせていく。
「ぐぉおおおお。」と苦悶の声をあげながら苦しんでいるアンデットモンスターにトドメを刺す為に、生き残りのアンデットモンスターは魔力銃の通常攻撃である魔力の弾丸でトドメを刺す。
「来ない内に回収しないと。」
最後のアンデットモンスターの頭部に魔力の弾丸で撃ち抜いた俺は倒したアンデットモンスターの回収をする。
ゴースト系のアンデットモンスターが多数居た為、手早くドロップアイテムの回収も済ませていく。
そんな風にアンデットモンスターを倒して行きながら、俺はスラム街の奥深くへと進んでいると、少しずつ現れるアンデットモンスターの種類が増えてレベルも高くなる。
その分だけ聖気の使用回数が増えて消費する魔力が増えるなかで、ようやくスラム街の中でも特に厳重そうな場所までたどり着いた。
スラム街の中でも堅牢そうな見た目をしている屋敷には、まだ距離があるが感じられる魔力の多さが特に多い。
これだけ瘴気が蔓延しているのにも関わらず、これだけ魔力感知スキルで感じ取れるなら相当強いアンデットモンスターがいる可能性が高いだろう。
「まずは瘴気を浄化して行こうか。」
『聖気はアタシが用意して行くから、アカメは気にせずに使いなさいよ。』
「ありがとう、エリーゼ。聖気の準備は任せたからな。」
閉ざされた錆び付いた鉄製の門を守るように佇むアンデットモンスター2体に向けて聖気ブレスを浴びせていく。
真っ赤な血のような色合いのした骨のアンデットモンスターであるブラッドスケルトンのレベル4へと聖気ブレスは放たれた。
ブラッドスケルトンたちの纏う瘴気に寄って聖気ブレスは相殺してしまったが、これで俺からの攻撃がブラッドスケルトンに効果を発揮するだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます