第37話

 魔力ブレスの手甲から放たれた聖気ブレスによって俺を追い掛けていたアンデットモンスターの多くが致命傷を負うか即死する。


 ばたばたと地面に倒れるアンデットモンスターたちにトドメを刺すために、俺はもう一度だけ聖気を魔力ブレスの手甲に送って聖気ブレスをアンデットモンスターたちに浴びせていく。


 まだ致命傷を受けているだけで動いていたアンデットモンスターは2回目の聖気ブレスで全滅し、1回目で倒されていた多くのアンデットモンスターは腐肉や骨を浄化され、この場に残ったのは浄化されても残されたドロップアイテムや魔石だけになる。


 残されたドロップアイテムと魔石を聖なる腕輪オルゴーに回収すると、俺はもう一度だけ先ほどと同じようにアンデットモンスターを集めて一掃した。


 「よし!レベルアップだ!!」


 レベル4が数体混じっていたお陰で2回目のアンデットモンスターを一掃した時にレベルアップした。


 これで俺のレベルはレベル3になる。早速ステータスを確認する。レベル2の時よりも強くなっているのか確認だ。


 聖なる結界が張られている場所に歩きながら俺は自身のステータスを確認した。


 能力値は順調に上がっている。今回のレベルアップで上がったのも魔力のようだ。


 レベル2からレベル3に上がるこれまでの戦闘や過ごしていた時間を考えるとこれは可笑しくはないだろう。


 レベルアップしたことで新しくスキルを獲得することが出来るようだが、取得可能なスキルで悩むのはこの2つだ。


 1つ目は跳躍スキル。これはジャンプするのに補正が掛かるスキルだ。これは軽業スキルとシナジーがあるスキルなので取得も良さそうなスキルである。


 2つ目は射撃スキル。射撃スキルは射撃系攻撃の威力や弾速や飛距離に補正が掛かるスキルだ。これで通常攻撃の魔力弾だけじゃなく魔力弾の爆発でも補正が掛かるのでなかなか良いスキルだろう。


 そしてこの2つで悩んだのだが、俺が選んだのはこの草原の移動の際にも役立ちそうな跳躍スキルを取得することを決めた。


名前 アカメ

種族 ハーフエルフ(ヒューマン)

レベル3 23/10000

筋力3

敏捷6

魔力14

魔武具 魔力銃

アクティブスキル

魔力操作 魔力感知

パッシブスキル

銃術 軽業 跳躍

魔導具装備一覧

聖なる腕輪オルゴー(結界の首飾り、魔力増幅の盾、消費魔力軽減のイヤリング) 自然回復速度上昇の指輪 二重発動のベルト 魔力ブレスの手甲(右手)


跳躍 パッシブスキル

跳躍に補正が掛かるスキル


 ステータスの確認を済ませた俺は早速さっき取得した跳躍スキルの効果を確かめる為にその場でジャンプする。


 「思ったよりも高く飛べたぞ!!」


 先ほどジャンプして試した跳躍スキルの効果は思いの外に高かった。さっきのジャンプで大体だが2メートルは上に飛べただろう。


 上に向けてのジャンプでこれなら前に跳ねるように飛び出るようにして移動すれば走ることになるがかなりの距離を一気に移動できるようになりそうだ。


 試してみれば最初の数十歩はバランスを崩して地面に倒れそうになるが、それも何回か繰り返し行なっていくと慣れてきた。


 これも軽業スキルの効果なのだろう。横跳びでの移動のバランスも崩すこともなくなって来たタイミングで聖なる結界の近くまでたどり着いた。


 「うわっ、俺が居なくても集まって来ているのかよ。」


 『聖気は弱点だからよ。そんな弱点や浄化されて綺麗になった土地を汚染する為に集まったのよ。』


 聖なる結界の周りにはアンデットモンスターが多数屯している。その数は4体なのだが、エリーゼの鑑定ではレベル4が二体もいるそうだ。


 まずはアンデットモンスターを集めるところから始めることにした。レベル4のアンデットモンスターの速さは俺に追い付けないがそこそこに速い。


 そんなアンデットモンスターに追い付かれないようにしながら、俺は魔力ブレスの手甲をアンデットモンスターに向けて聖気ブレスをアンデットモンスターに放った。

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