第42話
陣形を組んで真っ直ぐに進んで来るアンデットモンスターの集団。幸いな事に聖なる結界を囲む様にしての進軍ではない為、アンデットモンスターたちが向かって来ている方向は1つだけだ。
まだ魔力ブレスの手甲から放てる聖気ブレスの射程に届かない。だが、魔力銃の弾丸ならば届くはずと、俺は今の自力での魔力操作の限界である3つ分の魔力を使って遠く離れたアンデットモンスターの軍団の先頭に向けて放った。
先頭のアンデットモンスターに命中した魔力弾は魔力3つ分の圧縮が解放されて、先頭のアンデットモンスターたちを飲み込むほどの魔力爆発が起こる。
聖気の爆発ではないからか、先頭のアンデットモンスターたちを倒すとは行かないが、それでも多くのアンデットモンスターの身体を破壊してしまう。
これで先頭のアンデットモンスターはレベル2以下のアンデットモンスターを倒し、レベル3以上でも魔力爆発の直撃を受けた個体は動くのも難しくなったはずだ。
それにあれほどの魔力爆発によってアンデットモンスターたちの進行方向の地面には3メートルクラスの広さの穴が空いて中央のアンデットモンスターたちの移動も大変になっただろう。
魔力3つ分の魔力を使った成果があれば良いのにと思いながら、これで成果がなかった場合は今後は聖気を使うのに魔力を優先しようと思いながら土煙りが晴れるのを眺める。
テント用品の椅子に座って眺めていると、土煙りの中からゴースト系アンデットモンスターが大量にやってきた。
どうやら空中を移動することが出来るゴースト系のアンデットモンスターだけを先行させたみたいだ。
アンデットモンスターの中でも特に聖気への耐性がないゴースト系アンデットモンスターたちがやって来たことをラッキーだと思いながら、俺は聖なる腕輪オルゴーの魔力を使って変換させた聖気を使って迫り来るゴースト系アンデットモンスターの群れを聖気ブレスで一掃する。
先行して攻めて来たゴースト系のアンデットモンスターの中には濃い瘴気を纏うレベル4のアンデットモンスターがそれなりに混ざっていたのだが、聖気ブレスの一撃によって全滅した。
レベル4のアンデットモンスターの魔石が混じっている事から、俺は急いで魔石とドロップアイテムの回収をショップで購入したアイテムを使って回収していく。
これでさっきの聖気ブレスで一掃されたゴースト系アンデットモンスターたちの魔石やドロップアイテムは回収された。
あとは魔力爆発で出来た穴を避ける様にしながら進軍して来ているアンデットモンスターの軍団を倒せば、交易都市ナバーラから出て来た第二陣のアンデットモンスターの一団をすべて倒せるだろう。
まだ軍団の中で残っているゴースト系のアンデットモンスターを小規模で何度も送られてくる。
「チッ、嫌な戦法だな。」
小規模なせいで聖気ブレスを使って一掃するには数が少なく、聖気を使った魔力弾で対処するには多い。そんな厄介な数をもったいないのを我慢しながら聖気ブレスで倒していく。
穴のせいで陣形が崩れて移動速度が落ちたアンデットモンスターの軍勢がようやく聖気ブレスの攻撃範囲のすぐ近くまでやってきた。
のだが、どうやらアンデットモンスターたちはすぐには進まずに聖なる結界を囲む様にして広がっていく。
それの嫌らしいところは聖気ブレスが当たらないギリギリの範囲で陣形を囲んで来ているところだ。
「エリーゼ、少しヤバいからサポートを頼んだぞ。」
『任せなさい。アカメ、貴方は聖気ブレスを命中させる事に集中するのよ。聖気の変換と手甲までの操作はアタシがやるわ。』
「任せた。」
俺は聖なる結界の壁の近くまで移動すると、いつでも聖気ブレスを放てる様にしながら走る準備を始めていく。
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