第41話
完全に夜になる前に罠を仕掛けることも出来た。他にも今後のことを考えると必要なアイテムを購入してり、いつ食べられるかも分からないからと早めの夕食を食べたりしていると、ようやく太陽が沈んで交易都市ナバーラの門から続々とアンデットモンスターが出て来た。
その姿はまるでバーゲンセールや割引のシールが貼られた物の取り合いをするおばさんたちの様な勢いで聖なる結界の元へとアンデットモンスターの群れは突撃して来る。
本格的に夜になったからこそ現れるゴースト系アンデットモンスターの数が半分を占めるが、それでも他のスケルトン系やゾンビ系アンデットモンスターも数多い。
最低でも今現在で門から出て向かって来ているアンデットモンスターの数は1000体を超えているだろう。
そのほとんどがレベル2以下のアンデットモンスターでも、これだけの数が相手となるとかなり危険な存在だと思う。
現にアンデットモンスターが侵入する事が出来ない聖なる結界の中に入って居なければ俺も戦わずに後ろを向いて逃げ出しているだろう。
そして第一陣のアンデットモンスターの群れが聖なる結界の前にたどり着いた。
「まずはこれだ!!食らえ!!!」
魔力ブレスの手甲をアンデットモンスターの集団に向けて聖気ブレスを噴射させる。
そうする事で一気にアンデットモンスターの数を減らしていく。特にゴースト系アンデットモンスターは聖気の攻撃が良く効いてレベル3のアンデットモンスターでも聖気ブレスを浴びせれば一撃で倒れて行った。
数多くのアンデットモンスターが倒れ、姿をドロップアイテムと魔石を残して消えていくが、まだまだアンデットモンスターは途切れなく攻めて来ている。
俺はそれから何度も何度も聖気ブレスを浴びせていく。
魔力の回復を早める魔法薬や魔力が回復をする魔法薬をガブガブと飲み干しながら聖気ブレスで倒していると、ようやく第一陣のアンデットモンスターの数も両手で数えられる程度の数になって来た。
残りは魔力銃から放たれる魔力の弾丸に貫かれて第一陣のアンデットモンスターは全滅した。
全てのアンデットモンスターを倒したそのタイミングで購入した使い捨ての魔石とドロップアイテムを回収する道具を起動する。
すると、俺が倒したモンスターが落としたドロップアイテムと魔石だけが回収された。
「すごいなこれ。それにしてもこんなに倒したのか……。」
『山盛りの魔石ね。これだけあれば、能力付きの魔石もあるはずだわ。一段絡したら確かめないといけないわね。』
山の様に積み重ねられている魔石とドロップアイテムをすべて聖なる腕輪オルゴーの中に収納する。
これでもまだ第一陣だ。倒したアンデットモンスターの中にはレベル3以上のアンデットモンスターも確かに居た。
だが、その数がレベル2以下のアンデットモンスターの数と比べても100分の1以下だ。
まだ交易都市ナバーラの中にはレベルの高いアンデットモンスターがうじゃうじゃ居るだろう。
それに備える為にも今のうちに魔力の回復と軽食の果物を口に入れていく。
それから第二陣のアンデットモンスターが群れとなして襲って来たのは2時間が過ぎてからだった。
現れたアンデットモンスターの数は先ほどよりも多く、門から出てすぐに突撃して来ないことから指揮官として行動しているアンデットモンスターがいるのだろう。
どのアンデットモンスターがその指揮官のアンデットモンスターなのかは数が多過ぎてエリーゼの鑑定でもすぐには分からない。
俺が出来ることと言ったら攻めて来たアンデットモンスターを倒すだけだ。
だからこそ、いつアンデットモンスターが向かって来ても良いように魔力ブレスの手甲を構えながら、魔力銃も使える様にして置く必要がある。
そして陣形が整ったのだろうアンデットモンスターが一斉に行進しながら聖なる結界に向かって迫って来た。
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