第15話
『これで最低でも1週間は聖なる結界も持つはずよ。その間に結界の周りにいるアンデットを倒してしまいましょう。』
「1週間持つのか。でも、食料と水が……あっ、これにあるじゃないか!」
救世ポイントを使えば水と食料の確保は問題ないと気付き、一応の確認のために救世ポイントで食料と水を購入することが可能かどうかを確認すれば、救世ポイントで水も食料も問題なく購入することが出来るのが分かった。
「食料と水の問題がなくなった。あとは俺がアイツらを倒せるかどうかだな。」
『アタシが識別でアンデットたちのレベルを確認するわ。そしたら、レベルの低い順に倒しましょう。アカメの視界にも映すわね。』
そうエリーゼが言った瞬間に俺の視界にアンデットモンスターたちの識別結果が表示される。
スケルトンビースト
レベル2〜3
スカルビースト
レベル3〜4
ビーストゾンビ
レベル2〜3
ロトンビースト
レベル3〜4
これが聖なる結界のすぐ近くまで来ているアンデットモンスターの識別情報だ。アンデットモンスターの名前とレベルしか分からないのは残念だが特に問題はないだろう。
その中でレベル2のスケルトンビーストを狙っていこうと思う。弱点もスケルトンと同じで頭部の頭蓋骨のはずだ。
でも出来ればレベル1のアンデットモンスターが相手だったら、そんなことを思いながら俺は腰の二重発動のベルトの効果を使うことにした。
二重に魔力操作を発動したことで今の俺は魔力を2つ分操作することが出来る。その2つ分の魔力を1発の魔力弾へと集中させていく。
「うお、これはキツいな。」
2つ分の魔力を無理矢理に1発の魔力弾へと集中させるのは無茶だったのか、少しでも気を抜けば集めた魔力が暴走して爆発してしまいそうだ。
『魔力操作ね。これならアタシでも出来る。アタシも手伝うわ。』
そうエリーゼが言ってすぐに不安定だった魔力が落ち着き始める。
『これでどう?』
「ありがとう、安定したよ。これなら狙い撃つことにも集中できる!」
エリーゼの助けもあり、魔力銃はガタガタと震えることもなくなり、これなら引き金を引いた時に気にするのは反動くらいだろう。
俺は狙いを定めてレベル2のスケルトンビーストの頭部へと狙いを定める。
フラフラと何かを探しているような仕草をするスケルトンビーストの頭部に狙いを定めた俺は魔力銃の引き金を引いた。
両手で持っていた魔力銃の銃口が天を向きながら放たれた魔力の弾丸はスケルトンビーストの頭蓋骨を寸分違わずに貫き爆発を起こす。
聖なる結界に守られているお陰で爆風と爆発で飛び散ったスケルトンビーストの骨の欠片は届かないが、それは俺だけでスケルトンビーストの周りにいたアンデットモンスターには被害が出ていた。
流石に重傷や致命傷のダメージはなかったようだが、それでも骨片が突き刺さっているビーストゾンビや骨の一部が欠けてしまったスケルトンビーストの姿が確認できる。
「ほっ、一撃で倒せてよかった。」
一撃で格上のスケルトンビーストを倒せてホッとしているのも束の間、受ける被害が少なかったスカルビーストやロトンビーストは聖なる結界を攻撃し始める。
体当たりしたり、爪で引っ掻いたりと攻撃を繰り返すロトンビーストとスカルビーストの身体は聖なる結界に当たるたびに白い煙を上げている。
「聖なる結界はカウンターのような効果があるのか?エリーゼ。」
『いえ、ないわ。あれはアンデットモンスターだからこそ聖なる力に触れて浄化されているのよ。』
なるほどと納得した俺は魔力の回復が終わり次第に次のレベル2のアンデットモンスターを狙って攻撃を行なった。
その間にもアンデットモンスターたちは聖なる結界を攻撃して自傷する姿を確認する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます