第50話
数が減って来たタイミングでドロップアイテムや魔石の回収をしながら、俺は長時間の戦闘を行なっていた。
ようやくある程度のアンデットモンスターが聖なる結界の周りに集まるまでの時間が長くなる頃に、俺はただ一方的に攻撃するだけだったにも関わらず、疲労でヘロヘロになり、今は椅子に座りながら休憩タイムに入っている。
「うわ、もうここまで貯まったのか。」
ステータスの経験値を確認すれば5738も経験値が貯まっていた。今のレベルだとレベル3のアンデットモンスターで1経験値だ。
レベル4、レベル5のアンデットモンスターも倒しているが、レベル1やレベル2のアンデットモンスターも大量に倒したからこそ、ここまで経験値が貯まったのだろう。
これなら交易都市ナバーラを攻略する頃にはレベル4になっている可能性が高いと思うのだが、教会に張った聖なる結界に集まるアンデットモンスターの数も減って来ているので実際のところはレベルアップするのかは分からないところだ。
休憩中にちょこちょこと連絡を取り合っていた弟や妹たちのレベルが未だにレベル1なことを考えれば、明らかに俺のレベルは以上なのだろうな。
「さてと、休憩も終わりっと。」
椅子から飛び跳ねる様に身体を起こして立ち上がると、俺は聖なる結界を攻撃しているアンデットモンスターたちの姿を確認する為に移動を開始する。
『聖気出来たわよ。』
「ありがとう、エリーゼ。」
変換されたばかりの聖気を魔力銃にセットし、6発分の聖気弾を数の少ないアンデットモンスターに向けて引き金を引いていく。
1回、2回、3回、4回、5回と引き金を引いてアンデットモンスターの頭部に命中させる。
「これで最後……ふぅ、終わったな。」
『もう襲撃はないでしょうね。あとは自然に集まってくるくらいかしら?』
「そうだと良いな。夜中に起きたくないし。」
エリーゼの用意した次の聖気を弾丸へと変えてアンデットモンスターを撃ち抜いていく。
魔石とドロップアイテムの回収を済ませると、聖気を聖なる結界に流して補強してからこの日はゲームをログアウトする。
そして現実世界の次の日に、俺はすぐにログインを行なってアンデットオブアナザーワールドの世界へと向かった。
「うわっ、集まってるな。」
アンデットオブアナザーワールドの世界では俺がログアウトしてから2日以上の時間が経っており、聖なる結界の方は未だに無事なのだが、聖なる結界を破壊しようと集まっているアンデットモンスターが尋常じゃないくらいに集まっていた。
これだけの数のアンデットモンスターからの襲撃を受けても、まだ聖なる結界が無事なのは聖気の増幅と聖なる結界の強化がされる聖具大十字架のお陰なのだろう。
それでも耐久力の減少が半分を切ってはいるので、前回まで回復している魔力をすべて聖気へと変換してまずは聖なる結界の補強から始まった。
「これで良いかな?」
『そうね。問題ないと思うわ。それじゃあ始めましょうか。』
「ああ、そうだな。」
聖なる結界の補強が終わり減ってしまった聖なる結界の耐久力も最大まで回復した。
それを確認してから階段を上がって元は噴水があった庭へと出ると、魔力回復薬を飲んで最大まで魔力を回復させてから、俺はエリーゼが変換した聖気を魔力ブレスの手甲へと送って聖気ブレスを放てる用意をしながら教会の出入り口へと向かって歩いて行った。
「やっぱりかなりいるな。」
教会の出入り口に集まっていたアンデットモンスターたちを確認するが、未見のアンデットモンスターは居ないようだ。
俺は聖気ブレスを放つ為に魔力ブレスの手甲をアンデットモンスターへと向けると、聖気ブレスをアンデットモンスターの群れに向かって放つのだった。
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