第52話

 上空のアンデットモンスターが聖気に寄って身体を崩壊させて墜落している頃、俺の元まで駆け寄って迫って来ていたアンデットモンスターは聖気ブレスをお見舞いされていた。


 大半のアンデットモンスターは纏っていた瘴気を剥がされ、瘴気で隠されていた身体を聖気が浄化しているのだが、アンデットモンスターの中にはそれに耐えないて襲って来るアンデットモンスターも現れる。


 「エリーゼ!相手のレベルは!!」


 『3体ともレベル5よ!!』


 聖気ブレスを突破して来たアンデットモンスターはなかなかの強さを持っていることがレベルで分かる。


 それでもその身体に纏っていた瘴気は無くなっていることもあり、こちらからの攻撃はすべて聖気を使うのだから特効攻撃だ。


 今の魔力銃に込められている弾丸は聖気の弾丸で5発分だけ。すぐに聖気はエリーゼが魔力を変換してくれるので問題はない。


 あとは俺がどれだけレベル5のアンデットモンスターが繰り出して来る攻撃を対処できるかになるだろう。


 「ッ!!」


 1番最初に俺に攻撃して来たアンデットモンスターであるジェネラルゾンビの振るう剣を躱して魔力銃の引き金を引く。


 放たれた聖気の弾丸は真っ直ぐにジェネラルゾンビの頭部に向かうのだが、ジェネラルゾンビの装備している盾に瘴気が集まり出して防がれてしまう。


 『アカメ!!』


 「チッ!!」


 既に集められた瘴気は聖気の弾丸で消し飛ばされ、盾も大破して使い物にならなくなっているジェネラルゾンビに追撃にもう一度引き金を引こうとした。


 のだが、その前にジェネラルゾンビの背後から飛び出て来たジェネラルグール2体から繰り出される爪撃を回避するのに必死になる。


 瘴気を使って爪に瘴気を纏わせて瘴気で長い爪を形成して攻撃範囲を広げたジェネラルグールたちの攻撃をギリギリで躱せた。


 「助かった、エリーゼ。」


 『どういたしまして。それよりも来るわよ!』


 ジェネラルゾンビ、ジェネラルグール2体が今度はジェネラルグールたちを先頭にして攻撃を仕掛けて来る。


 上下からの連携攻撃を回避し、途中で攻撃に当たりそうになる時は魔力を使った結界で障壁を張ってやり過ごす。


 このままだと聖気ブレスでダメージを与えたアンデットモンスターたちまで参戦することになってしまう。


 それに引き金を引いて放たれた聖気の弾丸はジェネラルゾンビにもジェネラルグールにも急所には当たらない。


 工夫して手足や胴体に命中して体内の瘴気を浄化することで弱体化をさせながら倒そうとするのだが、その前に聖気ブレスを受けて瘴気を消し飛ばされていたアンデットモンスターたちが瘴気を纏い始める姿が視界に映る。


 ここはもう一度聖気ブレスを浴びせて瘴気を消しながらアンデットモンスターにダメージを与えておこう。


 エリーゼが用意してくれた聖気を使って魔力ブレスの手甲へと聖気を送ると、俺は瘴気を纏い始めたアンデットモンスターたちへと向かって聖気ブレスを放っていく。


 そのついでにジェネラルゾンビやジェネラルグールたちへも聖気ブレスを浴びせることで、少しでも体内にある瘴気を浄化しながらダメージを与える。


 線での聖気の弾丸による攻撃よりも面での聖気ブレスの攻撃の方が確実にダメージを与えられたのだが、やっぱり聖気の弾丸の方が一気に体内の瘴気を浄化することが出来ているのだろう。


 聖気の弾丸を受ければ動きが鈍るのだが、聖気ブレスを浴びせても怯み行動は少しだけだ。


 すぐに他のアンデットモンスターとは違って攻撃を行なって来ようとするジェネラルゾンビとジェネラルグールからの攻撃を躱し続けていく。


 どの攻撃も本当にギリギリでの回避しか出来ていないし、躱すのが間に合わない時もエリーゼのお陰でどうにかなっている。

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