第51話

 ようやく集まっていたアンデットモンスターがドロップアイテムへと変わり、俺は魔力の回復も兼ねて休憩を行なう。


 魔力の消耗は激しい上に救世ポイントで購入している魔力を回復するアイテムも休憩中に購入していく。


 救世ポイントもだいぶ貯まっているが魔力回復薬の大量購入をしないといけない事態になる可能性もあるし、そう考えると今のうちに聖なる腕輪オルゴーの中に大量に入れておく方が良いのかも知れない。


 俺も聖なる腕輪オルゴーの魔力も回復が終わったのを確認してから、俺は聖なる結界で守られた教会から出て交易都市ナバーラの探索を開始する。


 交易都市ナバーラ内に聖なる結界があるせいでアンデットモンスターが集まっているからか、遭遇するアンデットモンスターの数が多い。


 道中で遭遇するアンデットモンスターを魔力銃から放たれる聖気の弾丸がアンデットモンスターを貫いていく。


 ゴースト系以外のアンデットモンスターは聖なる腕輪オルゴーの中にドロップアイテムと魔石に変わる前に収納して移動を続けて進んで行った。


 『何処にいくのよ?』


 「外の結界のところ。罠を仕掛けてるだろ?それを回収しようと思ってさ。」


 交易都市ナバーラの内部に聖なる結界で拠点が出来ている今なら、外の聖なる結界の周りに仕掛けた罠がもったいない。


 それに万が一にも教会の周りに張られた聖なる結界を突破された場合を考えれば、新しく罠を購入して仕掛けるよりも仕掛けた罠を回収して仕掛け直した方が良いだろうからな。


 節約できる所は節約しないといけない。救世ポイントだって1日で集められるポイントが限られているのだから。


 遭遇するアンデットモンスターを倒して進んで行き、俺が交易都市ナバーラの門から出て外に仕掛けた聖なる結界を確認すると、聖なる結界があったはずの場所には大量のアンデットモンスターが屯していた。


 それも身体に瘴気を纏って昼間でも活動可能なレベル3以上のアンデットモンスターばかりが居るのだ。


 数としては100は超えているだろう。こちらの攻撃手段で対処するのは可能だが、今までの様に聖なる結界に隠れて一方的に攻撃するなんてことは出来そうにない。


 「エリーゼは聖気の変換を頼む。」


 『分かったわ。それでどう攻めるのかしら?』


 「丁度良いから今の俺がどれだけ動けるのかを確かめるよ。あの場所なら万が一があっても罠を作動させることも出来るからな。」


 アンデットモンスターに気が付かれていない今のうちに交易都市ナバーラに戻って準備を整えてから俺は聖なる結界の跡地で屯しているアンデットモンスターたちを倒しに向かった。


 最初に気が付いたアンデットモンスターは空中を飛んでいるアンデットモンスターだ。


 鳥系のモンスターや生き物がアンデットモンスター化した者が大半だが、器物が瘴気を大量に浴び蓄積して生まれた付喪神系のアンデットモンスターたちが一斉に俺に向かって移動して来る。


 それに釣られる様にして他のアンデットモンスターたちも俺のことを気が付いて向かって来ている。


 今のところ距離的に届く攻撃は一つだけしかない。魔力銃を構えて聖気の弾丸に追加で一つ分の聖気を追加して上空を飛んで向かって来ているアンデットモンスターの1匹に狙いを付けて引き金を引いた。


 放たれた聖気の弾丸を回避しようと動くアンデットモンスターだったのだが、周囲を移動しているアンデットモンスターの数が多いせいで完全に躱すことが出来ずに骨の翼に命中することになる。


 そして、命中した聖気の弾丸はアンデットモンスターの骨を浄化しながら崩壊して聖気を撒き散らしながら爆発を起こした。


 広範囲に撒き散らされる聖気は周囲のアンデットモンスターの纏う瘴気を消し飛ばし、撒き散らされた聖気に寄ってアンデットモンスターを浄化してしまう。

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