第7話

 魔力を消費して弾込めを行ない、消費した分の魔力が回復してから最後の戦闘チュートリアルを開始した。


 開始と同時に俺は辺りを見回していく。現れたのは動く人骨が6体。動く腐乱死体が同じく6体。そして新たに加わった初見のモンスターである半透明な透けている人間が6体の合計18体が最後の戦闘チュートリアルの相手の様だ。


 初見の半透明な透けている人間はゴーストとかの死霊だろう。物理的な攻撃は効かなさそうな見た目をしているが、俺の魔力銃から放たれる弾丸なら魔力の塊な事もあってダメージを与えられるだろう。


 だが、それを確かめる前にまずは一撃で殺せる動く人骨から倒す事にした。


 素早く魔力銃を構えた俺はカチャカチャと骨を鳴らして接近して来ている動く人骨たちへと銃口を向けて引き金を引いた。


 動く人骨の移動スピードに合わせて放った魔力の弾丸は寸分違わずに頭蓋骨へと命中して倒す事に成功する。


 それを繰り返すこと6回。それだけで動く人骨たちを全て倒した俺は準備していた魔力を魔力銃の銃身の側面に触れながら魔力操作で魔力銃全体へと魔力を送る。


 そして振り向いて後ろを確認した俺はすぐに狙いを付けて魔力銃の引き金を引いていくのだ。


 動く腐乱死体たちとの距離もだいぶ近付いていた事もあり、俺が放った弾丸は一つ残らず動く腐乱死体の頭部に命中して、動く腐乱死体たちは床へとその腐った身体を倒して動かなくなる。


 これで残りは半透明な透けている幽霊たちだけになった。だが、思ったよりも幽霊たちの移動スピードは高かった。


 「チッ、もうここまで!!」


 バッとその場から脱兎の如くその場所から走って幽霊たちから距離を取る。幽霊たちもまた移動スピードは早足よりも早い程度だったお陰で走れば少しずつ俺との距離が開いていく。


 「とりあえず通常の弾丸を使って何回で倒せるかを確かめるか。」


 動く人骨や動く腐乱死体の弱点は頭部だった。それを踏まえて俺は幽霊の1体に向けて引き金を引く。


 1発目、幽霊は「ギィイイイイ!!!!」と金切り声を上げるが倒せない。続けて2発目を金切り声を上げている幽霊に命中させれば、今度は断末魔の叫びを上げて頭が痛くなる。


 幽霊は倒せば最後に叫び声を上げて倒されていくのなら対策を練らないといけない敵になってしまう。


 だが、今はとりあえずこの幽霊たちを倒すところからだと、俺は痛む頭を我慢して今度は胴体に2発の弾丸を間髪入れずに放った。


 すると、幽霊は先ほどの様に断末魔の叫びを上げて消えていくのが確認できた。


 幽霊は頭部も胴体も同じだった為、弱点は存在しないかも知れない。けれど、手足の部分に命中しても2発では倒せそうな気がしないので狙うなら命中のしやすそうな胴体部分になるだろう。


 残りの残弾は2発ある。だが、俺は魔力を消費して弾丸の数を最大の6発に増やすと、そこから更に魔力操作で魔力を送って魔力銃の弾丸全てを強化する。


 「これなら1発で倒せるだろう!!」


 1番近くまで接近していた幽霊の1体へと魔力銃の銃口を向けて引き金を引いた。


 その結果、幽霊に強化された弾丸が貫くと断末魔の叫びを上げることなく幽霊は掻き消えていった。


 これには目を見開いてしまうが、俺はすかさず銃口を幽霊たちの内の1体へと向けて引き金を引く。


 そうして3発の魔力の弾丸が幽霊たちを貫いて、これで最後の戦闘チュートリアルは終了した。


 戦闘チュートリアルが終われば次のチュートリアルへと画面の表示は変わり、今度は経験値の話になった。


獲得経験値

獲得経験値は相手のレベルとこちらのレベルによって変わる

同格のレベルの場合は経験値1

自身よりレベルが1つ上がる事に経験値は10倍に上がる

格下の場合だと1つ下がる事に10分の1に変わり、2レベルも下がると100分の1に変わる

更に3レベル下がれば経験値も獲得する事が出来なくなる

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