第54話

 全身を浄化されて動きの鈍ったジェネラルグールを余裕を持って回避すると、俺はジェネラルグールの膝裏に蹴りを打ち込んでジェネラルグールを地面に転ばした。


 地面に倒れ込んだジェネラルグールが起き上がるその前に、俺はエリーゼが準備した聖気を使った弾丸をジェネラルグールの四肢の関節を狙って引き金を引く。


 両腕と両足の関節に突き刺さった聖気の弾丸がジェネラルグールの両手足を吹き飛ばしてしまう。


 残りの2発の聖気の弾丸をジェネラルグールの頭部に向けて放つと、追加の聖気を弾丸に変えてジェネラルグールの頭部に新しく作り出された6発の聖気の弾丸を命中させていく。


 「ふぅーー、終わった。」


 『お疲れ、アカメ。』


 こうして交易都市ナバーラの外に張った聖なる結界の跡地に集まったアンデットモンスターたちの殲滅は終わった。


 残りのやる事は2つだけ。1つは倒したアンデットモンスターたちのドロップアイテムの回収だ。


 もう1つは地面の中に仕掛けている聖気を使用している罠の回収である。


 手早くアンデットモンスターのドロップアイテムを救世ポイントを使ったショップで購入した道具で集めると、魔石とアンデットモンスターの素材が集まった。


 聖なる腕輪オルゴーの中に収納すると、次は地面の中に埋まっている罠の回収を行なっていくのだが、肝心の罠が何処にあるのか分からない状態だ。


 「エリーゼ、何処に罠があるのか分かるか?俺は分からないんだが。」


 『問題ないわ。アタシの指示する場所を掘りなさい。』


 どうやらエリーゼは罠を仕掛けた場所を覚えている様だ。これでエリーゼも忘れていれば罠の回収はほぼ不可能だっただろう。


 俺はエリーゼの指示に従って地面をスコップを使って掘り進めて罠の回収を行なっていく。


 こうして日が傾き始めた頃にはすべての罠の回収を終えて、俺は交易都市ナバーラの教会を目指して歩き出した。


 もう時間もだいぶ遅くなってしまっているからと、俺は小走りに近い速度で交易都市ナバーラ内を移動する。


 道中で現れるアンデットモンスターを聖気の弾丸が射抜いて倒し回収してから進んでいると、瘴気を浄化している聖なる結界が見えて来た。


 「屯してるな。」


 教会の入り口には聖なる結界に阻まれて教会の敷地の中に入らないアンデットモンスターが屯していた。


 数的には30体くらいか。でも、その中にはエリーゼが鑑定した結果、レベル4のアンデットモンスターが8体も居ることが分かる。


 流石にレベル4が8体もいる状況は魔力銃だけだと時間が掛かってしまう。


 それに時間をかけ過ぎれば、もうそろそろ太陽が沈んでアンデットモンスターが活発に活動する時間になってしまい、聖なる結界の外にいれば危険な状況だ。


 「エリーゼ。」


 『聖気の準備は任せなさい。』


 「頼んだ。」


 俺はバッと建物の物陰から飛び出ると、聖なる結界で守られた教会に入れずに教会の前で屯しているアンデットモンスターに向けて魔力ブレスの手甲から聖気ブレスを放出していく。


 聖なる結界のお陰で周囲の瘴気が浄化されているのもあって、レベル3以上のアンデットモンスター以外さ聖気ブレスで即死する。


 そして残りのレベル3以上のアンデットモンスターに向けて、俺は魔力銃を向けて引き金を引いていく。


 レベル4のアンデットモンスター以外はこれで全滅だ。残りは8体のアンデットモンスターだけになる。


 そのアンデットモンスターに向けてもう一度だけ聖気ブレスを浴びせかけると、苦しみで悶えているアンデットモンスターたちに向けて聖気の弾丸を急所に向けて放ちアンデットモンスターたちを全滅させた。


 「ふぅ。」と一息付いてアンデットモンスターのドロップアイテムを回収してから、俺は聖なる結界に守られている教会の中に入って行った。

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