第49話
これでひと息付けると、俺は無人の教会で身体を休め始める。聖なる腕輪オルゴーから疲労回復の魔法薬と丸薬タイプの魔力回復薬を飲んで身体を休めていると、外の方では再びアンデットモンスターが集まって来ているようだ。
アンデットモンスターの唸り声や苦痛を感じているような呻き声が聞こえて来ている中での休憩はしっかりと休めそうにもない。
「あー、どんどん集まって来ているな。」
『聖なる結界が誘蛾灯の様な役割りをしているのよ。それに探し回らずにアンデットが来てくれるわ。今のうちに少しでもナバーラのアンデットを減らして行きましょ。』
休憩している間に回復した魔力の分だけアンデットモンスターを倒していく。そんな事を魔力が回復する度に繰り返してアンデットモンスターの数を減らして行った。
そうしていると聖なる結界を破壊しようと集まって来ているアンデットモンスターのレベルが変わり始める。
レベル1のアンデットモンスターが最初の方は混ざっていたのにも関わらず、今はレベル2以上のアンデットモンスターばかりだ。
探していけばレベル1のアンデットモンスターを発見することも可能だが、今の集まっているアンデットモンスターはレベル2とレベル3が中心になっている。
瘴気のせいで太陽が分からないが、時間的にはあと少しで夜になる頃だろう。
瘴気の中だろうと、夜になればより活発にアンデットモンスターが活動するはずだ。
俺は早めの夕食を食べてから少しだけ仮眠を取って身体を休めることにした。
「エリーゼ、頼んだ。」
『ゆっくり休んでいなさい。その間はアタシが見ておくから。』
目を閉じれば長時間の戦闘を休み休みでも繰り返していたこともあるからか、その疲労で俺はすぐに眠りに付いた。
『アカメ、起きなさい!起きなさい、アカメ!!』
「あ、ああ。どうした、エリーゼ。」
『思った以上にアンデットが来ているわよ!!』
まだ頭がハッキリしていないが、それでもこれからすぐにアンデットモンスターとの戦闘だと意識を切り替える努力をして教会の中でも1番高い場所へと向かった。
「なんだアイツら?」
空を浮遊する様々な武器。何も入っていないのに独りでに動いている鎧。他にも武装をしているゾンビ系、スケルトン系アンデットモンスターたちの姿が見える。
フライングソード(他の武器もある)
レベル2〜3
カースソード(他の武器もある)
レベル4〜5
さまようよろい
レベル2〜3
カースアーマー
レベル4〜5
これがゾンビ系でもスケルトン系でもゴースト系でもないアンデットモンスターである強いて言えば付喪神系のアンデットモンスターなのかも知れない。
長い年月を瘴気に晒された結果アンデットモンスターになったならば、他にも家具や家なんかもアンデットモンスターになっていても可笑しくはないのだが、今まで遭遇したことはないし、付喪神系アンデットモンスターの数も少ないことから、器物が瘴気でアンデットモンスター化するのに交易都市ナバーラでは時間が足りなかったのかも?
そんな予想を立てながらも優先順位は今も集中的に教会の聖なる結界を攻撃している教会の出入り口付近のアンデットモンスターから倒していくことにした。
いま集まっている中でも最高レベルのアンデットモンスターはレベル5が3体。それ以外はレベル2が半分、レベル3がその更に半分以上、残りがレベル4のアンデットモンスターだ。
聖なる結界内での休憩や魔法薬の力も借りれば充分に対処することも可能だろうし、それにどうせ追加のアンデットモンスターが軍団として来るのだろうから慌てずにアンデットモンスターたちを倒して行こう。
そう決めてから俺は聖気の弾丸をアンデットモンスターに撃ち込んで爆発させて、次々に現れるアンデットモンスターの数を減らして行くのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます