第48話
枯れた噴水を一周すると、次は枯葉が溜まった噴水の中を聖なる腕輪オルゴーを使って綺麗にしていく。
「こんな使い方をしても良いのか?」
『便利だから構わないでしょ。それに、これでようやく分かって来たわ。手っ取り早く済ませるわよ。』
どうやら噴水の秘密がエリーゼには分かって来たようだ。俺はエリーゼからどうすれば良いのかを聞いて、それで構わないのかと唖然としてしまう。
「それって大丈夫なのか?」
『爆発音が問題ね。アンデットが集まって来るわ。聖なる結界を張ってからにしましょうか。』
俺はエリーゼと協力して聖なる結界を噴水を中心にして張ると、噴水に向かって3つ分の魔力を1つの弾丸に変えて噴水を狙い撃つ。
聖なる結界に守られている噴水だったが、俺の攻撃は素通りして噴水に魔力の弾丸が命中する。
噴水に直撃する限界以上に魔力が詰め込まれている魔力弾が耐え切れずに魔力爆発が発生した。
魔力の爆発が起こるが聖なる結界のお陰で爆発音も爆発の影響で起こる噴水だった瓦礫が聖なる結界の外にまで向かうことはなかった。
「もう良いかな?」
聖なる結界を解いてから俺は噴水がある庭から離れる。土埃りが収まるまでの間、少しだけ休憩を取る。
そうして土埃りが完全に収まった頃に俺は噴水のある庭に戻った。
「噴水の下はこんな風になっていたのか。」
『隠し部屋の一種よ。階段を降りて向かいましょう。』
「ああ。」
俺は噴水があった場所に出来た人1人が降りられるサイズの階段を降りると、そこは小さな部屋が一つだけあった。
「もしかしてこれがエリーゼの言っていた魔導具なのか?」
『そうよ。残っていて良かったわ。回収はナバーラの攻略が終わってからね。その前に聖なる結界を張りましょう。』
それから俺はエリーゼの協力の元で教会全体を覆うほどの強力な聖なる結界を張ることになる。
聖なる結界の起点をこの目の前の魔導具にすることで、聖なる結界の強度や聖気の増幅を行なうことで強力な聖なる結界が教会全体に張られていく。
これで当分の間は強力なレベル6以上のアンデットモンスターは侵入することが出来なくなるとエリーゼは言っていた。
聖なる結界が張られてからは聖なる結界の空間内の瘴気は完全に浄化されて、この場の空気は清浄な空間に変わっていく。
一段絡と行きたいところだが、その前に俺はやる事がある。その為に教会の外が良く見える場所を移動する。
本来なら鐘があっただろう場所から下側の景色を確認すると、やはり大量のアンデットモンスターたちが教会の周りを囲んでいた。
強化された聖なる結界のお陰でアンデットモンスターたちは1匹足りとも教会の敷地の中に入ることは出来ていない。
それに強力な聖なる結界の力によってなのか、10メートルくらいしか視界が瘴気で見えなかった交易都市ナバーラはもっと視界が明瞭になっただろう。
このまま待っていても仕方がないからと、とりあえず教会を囲んでいるアンデットモンスターを一掃することから始めていく。
この距離だと聖気ブレスが届かない。だからこそ飛距離が高い聖気の弾丸を1発の弾丸に変えて撃ち出した。
聖気の弾丸が破裂した爆発で多くのレベル1のアンデットモンスターが浄化されていくのが見える。
それから高い位置で聖気の弾丸を何度も浴びせて多くのアンデットモンスターを浄化してしまうと、アンデットモンスターの魔石とドロップアイテムを道具を使って回収を済ませていく。
「これ急がないと落ちてくぞ!?」
思ったよりもアンデットモンスターが居たせいで、鐘を鳴らす為に広めのこの場所でも魔石やドロップアイテムが溢れて落ちて行きそうになっている。
そんな魔石とドロップアイテムを急いで聖なる腕輪オルゴーへと収納してから、俺は教会の庭に降りてオルゴーに仕舞っていたアンデットモンスターの死骸を出して浄化される死骸から魔石とドロップアイテムの回収を行なっていくのだった。
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